【PICKUPについて】

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PICK UP!

近藤亜香×チェンウ・グオ(オーストラリア・バレエ団)インタビュー!
〜「横浜バレエフェスティバル2017」出演への意気込みと、オーストラリアの日々を語る〜

昨年圧倒的なパフォーマンスで会場を沸かせたオーストラリア・バレエ団プリンシパルの近藤亜香×チェンウ・グオ ペアが、今年も「横浜バレエフェスティバル」に登場! 公演への意気込みと、オーストラリアでの活動についておふたりにお聞きしました。

インタビュー・文:小野寺悦子

――昨年横浜バレエフェスティバルで「エスメラルダ」よりダイアナとアクティオンのグラン・パ・ド・ドゥを披露しました。舞台の手応え、観客の雰囲気など、印象に残っていることはありますか?
日本ではあまり踊る機会がないので、すごく楽しんで踊ることができました。両親や恩師そして友人たちが応援に来てくれたので、とても特別な舞台になりました。
チェンがソロで回ったり跳んだりしてくれたので(笑)、会場のお客様もとても盛り上がってくれた気がします。

――今年の横浜バレエフェスティバルでは、「眠れる森の美女」と「海賊」を踊ります。この二作について、踊る醍醐味、手強さ、また過去のエピソードなどありましたらお教えください。
「眠れる森の美女」のグラン・パ・ド・ドゥはオーストラリアでも全幕でよく踊っている作品です。普段はテクニック系の作品を踊ることが多いので、エレガントなこのグラン・パ・ド・ドゥを踊ることができるのはとても嬉しいですし、新しい発見がいつもあります。
「海賊の」グラン・パ・ド・ドゥは、昨年オーストラリアの屋外公演で初めてチェンと踊りました。テクニックが盛りだくさんで、ガラにはもってこいの作品だと思います。
チェンの素晴らしいジャンプと回転を日本のお客様にお披露目するのが楽しみです。

――海外のバレエ団でトップにまでのぼり詰めたおふたり。海外のバレエ団で踊る上で苦労したこと、またアジア人としての苦労はありましたか?
やはり、最初はアジア人だということのハンデは最初はありました。ですがオーストラリアの国自体が多国籍文化なので、バレエ団もそこまで“アジア人だから”という区別はされませんでした。 芸術監督のデイビッドは“いいと思ったダンサーをそのまま抜擢する”という考えの方だったので、チェンも私も若いうちから役を与えてもらえました。
唯一、苦労したことは体のメンテナンスです。オーストラリア・バレエ団は年間200公演もある大きなバレエ団で、1年目はそのペースをつかむのにとても苦労しました。

――海外のバレエ団でプリンシパルという頂点に立てた理由は何だと思いますか? また、トップに立つ者として日々心がけていることはありますか?
亜香: 負けん気の強さだと思います。そして人が出来て自分が出来ないことがあるととても悔しくて、できるまで人一倍の努力をしました。プロポーションに恵まれているわけでもないので、他のところで補えるように、他の人よりテクニックができるように、他の人より振り付けを覚えるのを早く、怪我をしないように、といろいろ考えました。
プリンシパルになって2年半が経ちます。大きな責任感を感じながら、お客様に最高の舞台を提供できるよう、努力を心がけています。
チェンウ: 僕は7年間、北京舞踊学校でバレエ教育を受けました。そのことは僕にとって自信につながっています。みんなが6回転していたら僕は8回転してやろうと人一倍努力してきました。しっかりした自信を持ち、トップに立ちたいという精神を持ちながら日々頑張りました。それがプリンシパルになれた理由だと思っています。
プリンシパルになってすでに4年が経ちます。毎日毎日、アーティストとして成長できるように、一人のダンサーとして成長できるように、今の自分に満足しないように努力を重ねています。


(C)Daniel Boud

――身体のメンテナンスで日頃気を付けていることはありますか?
オーストラリア・バレエ団は世界でもトップと言ってもいいほどの素晴らしいメディカルチームがいます。それはとてもありがたいことで、週2~3回はフィジオセラピストに体のメンテナンスをしてもらっています。
忙しい日の終わりには必ず膝下までのアイスバスをします。これにより次の日の回復力が全然違います。

――オーストラリア・バレエ団の主なレパートリー、カンパニーの雰囲気、魅力をどう感じますか?
オーストラリア・バレエ団の主なレパートリーは、グレエム・マーフィー振り付けの「白鳥の湖」、今回横浜バレエフェスティバルでも踊るデイビッド・マカリスター版「眠れる森の美女」、そしてアレクセイ・ラトマンスキーの「シンデレラ」などまだまだたくさん素敵なレパートリーがあります。 ダンサーはみんなとても明るく仲が良くて家族みたいな雰囲気です。
また、年間200公演もあるので、たくさん舞台に立つことができとてもいい経験になります。


(C)Justin Ridler

――おふたりに、お互いの尊敬する部分といえば? ダンスパートナーとしてお相手をどう思いますか?
亜香: チェンはテクニックとカリスマ性を備えた素晴らしいダンサーです。いつもたくさんのインスピレーションを私に与えてくれます。何事にも前向きで私にはない芯の強さを持っています。
チェンウ: 亜香はとてつもない努力家で完璧主義者。他の人には出来ない踊りをする特別なダンサーです。常に笑顔でポジティブなところも彼女の魅力です。

――休日やプライベートタイムは主にどのようなことをして過ごしていますか? 気分転換法といえば?
ふたりでトイプードルを2匹飼っていて、名前はテッドとチョコ。愛犬たちと一緒にカフェにブランチに行くのが休日のお決まりです。また公園に行ったりと、のんびり過ごすことが多いです。

――おふたりで食事をするときは日本食? 中国料理? オーストラリアでお気に入りのお店はありますか?
家でご飯を食べるときは日本食が中心です。チェンは日本食全般大好きなので、日本に来るといつもふたりで食べすぎちゃいます(笑)。本当に日本食は美味しいですね。
私も中華料理は大好きなので、オーストラリアにある美味しい中華料理屋さんに行ったりしています。基本的にはアジア料理を中心に食べています。

――公私をずっと共にされていて、意見の食い違いやケンカをすることはないですか? もしあるとしたら、どちらが先に折れることが多い? 
リハーサル中に意見が食い違うことはありますが、それはお互いいい踊りをしたいという気持ちから発している言葉なので、喧嘩になることはありません。喧嘩をしても本当にくだらないことなのですぐ仲直りします。

――近藤さんの日本に帰ってきたときの楽しみといえば? 今回の帰国でチェンウさんと一緒に行きたいところはありますか?
美味しい日本食が食べられることですね。オーストラリアにもたくさん美味しい日本食レストランはありますが、やはり日本のレストランとは全然違います。美味しい焼肉を食べるのが楽しみです。肉食系なんです(笑)。
日本の両親、友人たちに会えるのも楽しみですね。今回は忙しくてきっと無理ですが、いつかチェンと一緒にディズニーランドに行きたいです。

――チェンウさんの初来日の思い出は? これまで来日されてきたなかで、印象に残っている場所、食べ物、エピソードなどありましたらお聞かせ下さい。
2010年にバレエ団の日本公演で初来日しました。もともと日本のアニメやテクノロジーのファンだったのでとても楽しかったです。日本の電気屋さんはすごいです。日本のテクノロジーは世界の最先端だと思います!日本に来たら毎回電気屋さんに行きます。そしたら毎回何か新しいものが出ているのでびっくりします。

――チェンウさんは日本のアニメやドラマが好きとお聞きしましたが、好きになったきっかけは何だったのでしょう。具体的にどんな作品がお好きですか?
中国にいた頃に、スラムダンクがテレビで放映されていて、その時に初めて日本のアニメを見ました。ストーリー性、イラスト、全てが素晴らしく、日本のアニメの虜になりました。それからいろいろ日本のアニメを見ています。お気にりの作品は、ONE PIECE、進撃の巨人、ドランゴンボール、BLEACH、NARUTOです。

――プライベートでの趣味、もしくは今はまっていることは何かありますか?
亜香: 最近陶芸にチャレンジしました。とても才能はないのですが、楽しくて、これからどんどんハマって行きそうです。

――最後に、今回の横浜バレエフェスティバルで楽しみにしていること、意気込みをお聞かせください。
昨年に続き、横浜バレエフェスティバルに出演する機会をいただけて本当に感謝です。初めて共演するダンサーや、再共演するダンサーたちもいるので、みなさんに会うのがとても楽しみです!
日本のお客様に素晴らしい舞台そしてオーストラリア・バレエ団の良さを提供できるように頑張りたいと思います。

 

公 演 情 報

2017横バレトップ770_350

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Aプログラム 6/9(金)19:00~

◆「ラ・バヤデール」よりソロルのヴァリエーション
2014年ローザンヌコンクール優勝の際に踊ったヴァリエーション。
二山の持つ魅力を存分に味わうことのできる1曲です。
二山治雄

◆「眠れる森の美女」
振付:デヴィッド・マッカリスター
プティパ原振付に基づいたオーソドックスな魅力と、豪華でセンスの良い衣装も観客やメディアから支持されたデヴィット版を日本で見ることのできる貴重なチャンスをお見逃しなく!
近藤亜香(オーストラリア・バレエ プリンシパル)
チェンウ・グオ(オーストラリア・バレエ プリンシパル)

◆「アラジン」
振付:デヴィット・ビントレー
新国立バレエ団で世界初演後、バーミンガム・ロイヤルバレエやヒューストン・バレエ団でも上演された、子どもから大人まで楽しめる作品。
飯島望未(チューリッヒ・バレエ グルッペ・ミット・ソロ)
八幡顕光(新国立劇場バレエ団プリンシパル)

◆「ジゼル」
昨年の公演で絶賛の嵐だった倉永・清水の豪華ペアによるロマンティック・バレエの王道「ジゼル」は、バレエファンなら絶対見逃せません。
倉永美沙(ボストン・バレエ団 プリンシパル)
清水健太(ロサンゼルスバレエ団プリンシパル)

◆「ジュリエットとロミオ」よりバルコニーのパ・ド・ドゥ
*日本初演
振付:マッツ・エック
2014年バレエ界のアカデミー賞と言われる「ブノワ賞」を日本人が初めて受賞したことで大きな話題となりました。待望の日本初演!!
湯浅永麻(元ネザーランド・ダンス・シアター)
アントン・ヴァルドヴァウワー(スウェーデン王立バレエ)

◆「Mononoke」
ダンス界で今大きな注目を集めているシディ・ラルビ・シェルカウイが加藤三希央のために振り付けた新作。
振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ
加藤三希央(ロイヤルフランダースバレエ団)

◆「Que Sera」より~ 柳本の場合 ~
*+81新作
前々年、前年と話題と笑いを巻き起こした柳本雅寛の意欲作!
熊谷拓明との化学反応も乞うご期待。
振付:柳本雅寛
柳本雅寛(コンテンポラリーダンサー +81主宰)
熊谷拓明(ダンス劇作家)

◆「スターズ&ストライプス」
20世紀の偉大な振付家ジョージ・バランシンによるアクロバティックなジャンプや回転技が魅力の作品です。
振付:ジョージ・バランシン
竹田仁美(NBAバレエ団プリンシパル)
二山治雄

◆「SOLI-TER」より
かつてパリオペラ座で上演された「SOLI-TER」を、横浜バレエフェスティバルで
オーギュストが踊るためにアレンジした特別な作品です。
振付:ジョゼ・マルティネズ
オーギュスト・パライエ(カンヌ・ロゼラ・ハイタワー・バレエ学校)

◆「レ・ブリヨン Les Brillants」Aプログラムバージョン
*ジュンヌバレエYOKOHAMAのデビュー作。新作世界初演。
10代の若さですでにバレエの道をひたすらに進んでいく大きな覚悟を決めた彼ら。
この作品がプロへの道のりの出発点となることでしょう。
振付:遠藤康行(元フランス国立マルセイユ・バレエ団 ソリスト・ 振付家)
ピアノ:蛭崎あゆみ
オーギュスト・パライエ
川本真寧(2015年オーディション優勝)
縄田花怜(2016年オーディション優勝)
中島耀(2016年オーディション神奈川県民ホール賞)
中村りず(2015年オーディション第3位)
竹内渚夏(2017年オーディション第3位)
丸山萌(2017年オーディション第4位)
亥子千聖(2017年オーディション第5位)
生方隆之介(2017年オーディション第6位)

◆「ラ・バデヤール」幻影の場ソリスト第1ヴァリエーション
オーディションで高く評価された確かな基礎力と、高度な技術力が必要な最後の見せ場が大きな見どころです。
大岩詩依(2017年オーディション準優勝)

◆「ドン・キホーテ」バジル・第3幕
オーディションでは、1ミリたりともぶれない軸の強さを見せつけたピルエット(回転技)で 観客を圧倒しました。まだ中学生とは信じがたいほどの驚異的なテクニックをご覧ください。
松浦祐磨(2017年オーディション優勝)

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Bプログラム 6/10(土)16:00~

◆「バラの精」
バレエ・リュスの代表作ともいえる「バラの精」
二山と竹田が観客を美しい幻の世界へいざなってくれることでしょう。
竹田仁美(NBAバレエ団プリンシパル)
二山治雄

◆「海賊」
公私ともにベストパートナーの2人による安定感抜群のパ・ド・ドゥ、
そして超人的なテクニックは絶対に生の舞台で見るべき!
近藤亜香(オーストラリア・バレエ プリンシパル)
チェンウ・グオ(オーストラリア・バレエ プリンシパル)

◆「ジュリエットとロミオ」よりバルコニーのパ・ド・ドゥ
*日本初演
振付:マッツ・エック
湯浅永麻(元ネザーランド・ダンス・シアター)
アントン・ヴァルドヴァウワー(スウェーデン王立バレエ)

◆「walking with hands」
クラシックとはまた違った世界観による倉永美沙の新たな魅力とその表現を堪能できる作品です。
振付:Paulo Arrais(パウロ・アハイス)
倉永美沙(ボストン・バレエ団 プリンシパル)

◆「ジゼル」
倉永美沙(ボストン・バレエ団プリンシパル)
清水健太(ロサンゼルスバレエ団プリンシパル)

◆「3 in Passacaglia」
2013年、JAPON dance projectによってカンヌで上演された話題作を飯島・八幡・遠藤の魅力的なキャストで再演決定!
振付:遠藤康行
飯島望未(チューリッヒ・バレエ グルッペ・ミット・ソロ)
八幡顕光(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
遠藤康行(元フランス国立マルセイユ・バレエ団 ソリスト・ 振付家)

◆「Que Sera」より~ 熊谷の場合 ~
*+81新作
Aプログラムとはまた違った味わいをお楽しみください。
振付:柳本雅寛
柳本雅寛(コンテンポラリーダンサー +81主宰)
熊谷拓明(ダンス劇作家)

◆「Mononoke」
*シディ・ラルビ・シェルカウイ 新作世界初演
振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ
加藤三希央(ロイヤルフランダースバレエ団)

◆「ソワレ・ド・バレエ」より
米沢唯が2015年の横浜バレエフェスティバルで踊り、そのスーパーテクニックに
拍手喝采となった作品を、今年はなんと畑戸が踊ります!
畑戸利江子(2013年モスクワ国際バレエコンクール 銅賞)

◆「START FROM THE END」
*Francesco Curci(フランチェスコ・クルチ) 新作日本初演
芸術監督の遠藤がフランスでその才能に度肝を抜かれた2m級のスーパーダンサー、
オーギュスト・パライエ。その彼が遂に日本初登場!
振付:Francesco Curci(フランチェスコ・クルチ)
オーギュスト・パライエ(カンヌ・ロゼラ・ハイタワー・バレエ学校)

◆「パリの炎」
フレッシュなペアによる競演!
プロ顔負けの高難度技をいとも簡単そうに演じてしまう2人から
一瞬たりとも目が離せません。
大岩詩依(2017年オーディション準優勝)
松浦祐磨(2017年オーディション優勝)

◆「レ・ブリヨン Les Brillants」Bプログラムバージョン
*ジュンヌバレエYOKOHAMAのデビュー作。新作世界初演。
振付:遠藤康行(元フランス国立マルセイユ・バレエ団 ソリスト・ 振付家)
ピアノ:蛭崎あゆみ
オーギュスト・パライエ
川本真寧(2015年オーディション優勝)
縄田花怜(2016年オーディション優勝)
中島耀(2016年オーディション神奈川県民ホール賞)
中村りず(2015年オーディション第3位)
竹内渚夏(2017年オーディション第3位)
丸山萌(2017年オーディション第4位)
亥子千聖(2017年オーディション第5位)
生方隆之介(2017年オーディション第6位)

詳細はこちら⇒ http://yokohamaballetfes.com/