【PICKUPについて】

このコーナーはバレエナビが取材させて頂いたホットな話題を取り上げております。
バレエやダンスに関する人・商品・サービス・イベント・公演など取り上げさせて頂く話題は多岐にわたります。
ご期待ください!

PICK UP!

加藤三希央(ロイヤル・フランダース・バレエ団)インタビュー
~モナコからベルギーへ、新天地での新たな飛躍/「横浜バレエフェスティバル2017」出演~

名門モナコ・プリンセス・グレース・アカデミー在学中の2014年にローザンヌ国際バレエコンクールで入賞した加藤三希央さんは、モナコ公国モンテカルロ・バレエ団(芸術監督:ジャン=クリストフ・マイヨー)を経てベルギーのロイヤル・フランダース・バレエ団で活躍中です。「横浜バレエフェスティバル」には初回(2015年)に続いての登場となります。近況や「横浜バレエフェスティバル2017」で披露するシディ・ラルビ・シェルカウイ新作世界初演作品への意気込みをお聞きしました。

取材:高橋森彦(舞踊評論家)


横浜バレエフェスティバル2015「海賊」小野絢子さんと共演
写真:松山悦子

――モナコ公国モンテカルロ・バレエ団時代の思い出を教えてください。
モナコではツアーがたくさんあり、いろいろな国で踊る経験ができました。中国の劇場はとても綺麗で、ドバイの街の観光はとても楽しかったです。ニューヨークのNew York City Centerで踊れたこともとても貴重な体験でした。モナコは雨が降ることはあまりないですし、とても小さい国なので、夏になると家の近くのビーチにほぼ毎週行っていました。

――モナコを離れられた理由は?
モナコのカンパニーではジャン=クリストフ・マイヨーの作品がとても多く、毎年踊るレパートリーも大体同じです。外部からの違う振付家の作品もありましたが、正直少ない方だと思いました。僕はまだ21歳なので、今若くてたくさん動けるうちにもっといろいろな振付家の作品が踊りたいと思うようになりました。そして他の国で踊っている友達からの影響もあり、違うカンパニーに移ろうと決意しました。

――2016/2017シーズンからベルギーのロイヤル・フランダース・バレエ団に移られました。同バレエ団を選ばれた経緯は?
遠藤康行さん(元フランス国立マルセイユ・バレエ団ソリスト&振付家、横浜バレエフェスティバル芸術監督)が薦めてくださいました。なぜならカンパニーのディレクターがシディ・ラルビに変わり、アシスタントディレクターの方が遠藤さんのお知り合いで「きっといいレパートリーになるよ」と言ってくださったからです。その後すぐにメールを送り、オーディションを受けました。

――カンパニーの印象やダンサーの人数・国籍、レパートリーについて教えてください。
雰囲気はとても心地よく、同年代の仲間がたくさんいるのはとてもいいです。ダンサーは約40人で、アメリカ、カナダ、ベルギー、オランダ、スペイン、イタリア、フランスなどさまざまな国籍のダンサーがいます。たくさんの振付家の作品が踊れて、ロシアの大作バレエからモダンな作品までさまざまなスタイルの踊りができてとても嬉しいです。

――入団後に踊られた作品を教えていただけますか。
シディ・ラルビの作品はもちろんウィリアム・フォーサイスの『Approximate Sonata』、オハッド・ナハリンの『Secus』、ユーリー・グリゴローヴィチ版『スパルタクス』などを踊りました。なかでも一番のお気に入りはアクラム・カーンの『Kaash』でした。とてもパワフルな作品で初めから終わりまでずっと舞台上にいて、汗もダラダラで呼吸も苦しいくらい疲れますが、爽快感があり、とてもやり甲斐がありました。


アクラム・カーン「Kaash」 ※加藤さんは左から3番目

――今年のローザンヌ国際バレエコンクールで審査員を務められた斎藤亜紀さんはバレエ団の大先輩です。アドヴァイスなどいただいたりしていますか?
亜紀さんはとても優しい方です。いつも元気に挨拶を返してくださり僕の将来の心配もしてくれます。リハーサルでは、亜紀さんと亜紀さんのパートナーのWimからいつもいろいろなことを学ばせていただいています。

――「横浜バレエフェスティバル2017」で踊るソロ『Mononoke』はシェルカウイ新作世界初演です。どのような作品になりそうですか?
先日からシディ・ラルビ本人とリハーサルを始めました。まだ衣装や照明、音楽もはっきりとは決まっていないので、自分でもまだ頭の中でどのような作品になるかは想像できませんが、振付は大変難しいです。今までやったことのないステップや動きがあるので自分にとって新しい挑戦になります。シディ・ラルビはステップや動きの一つひとつを丁寧に教えてくれるので分かりやすく理解でき、リハーサルをスムーズに行えるのでとてもありがたいです。完成がどのようになるのか楽しみです。

――「横浜バレエフェスティバル2017」への抱負をお願いします!
シディ・ラルビの新作のソロという貴重な経験を与えてくださった遠藤さんとラルビに感謝しています。そして素晴らしいダンサーの方々との共演がとても楽しみです。精一杯頑張らせていただきます!

 

公 演 情 報

2017横バレトップ770_350

******************************
Aプログラム 6/9(金)19:00~

◆「ラ・バヤデール」よりソロルのヴァリエーション
2014年ローザンヌコンクール優勝の際に踊ったヴァリエーション。
二山の持つ魅力を存分に味わうことのできる1曲です。
二山治雄

◆「グラン・パ・クラシック」
華やかな曲にのせて高度な技が次々と繰り広げられる、スターダンサーにふさわしい作品。
近藤亜香(オーストラリア・バレエ プリンシパル)
チェンウ・グオ(オーストラリア・バレエ プリンシパル)

◆「アラジン」
振付:デヴィット・ビントレー
新国立バレエ団で世界初演後、バーミンガム・ロイヤルバレエやヒューストン・バレエ団でも上演された、子どもから大人まで楽しめる作品。
飯島望未(チューリッヒ・バレエ グルッペ・ミット・ソロ)
八幡顕光(新国立劇場バレエ団プリンシパル)

◆「ジゼル」
昨年の公演で絶賛の嵐だった倉永・清水の豪華ペアによるロマンティック・バレエの王道「ジゼル」は、バレエファンなら絶対見逃せません。
倉永美沙(ボストン・バレエ団 プリンシパル)
清水健太(ロサンゼルスバレエ団プリンシパル)

◆「ジュリエットとロミオ」よりバルコニーのパ・ド・ドゥ
*日本初演
振付:マッツ・エック
2014年バレエ界のアカデミー賞と言われる「ブノワ賞」を日本人が初めて受賞したことで大きな話題となりました。待望の日本初演!!
湯浅永麻(元ネザーランド・ダンス・シアター)
アントン・ヴァルドヴァウワー(スウェーデン王立バレエ)

◆「Mononoke」
ダンス界で今大きな注目を集めているシディ・ラルビ・シェルカウイが加藤三希央のために振り付けた新作。
振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ
加藤三希央(ロイヤルフランダースバレエ団)

◆「Que Sera」より~ 柳本の場合 ~
*+81新作
前々年、前年と話題と笑いを巻き起こした柳本雅寛の意欲作!
熊谷拓明との化学反応も乞うご期待。
振付:柳本雅寛
柳本雅寛(コンテンポラリーダンサー +81主宰)
熊谷拓明(ダンス劇作家)

◆「スターズ&ストライプス」
20世紀の偉大な振付家ジョージ・バランシンによるアクロバティックなジャンプや回転技が魅力の作品です。
振付:ジョージ・バランシン
竹田仁美(NBAバレエ団プリンシパル)
二山治雄

◆「SOLI-TER」より
かつてパリオペラ座で上演された「SOLI-TER」を、横浜バレエフェスティバルで
オーギュストが踊るためにアレンジした特別な作品です。
振付:ジョゼ・マルティネズ
オーギュスト・パライエ(カンヌ・ロゼラ・ハイタワー・バレエ学校)

◆「タイトル未定」Aプログラムバージョン
*ジュンヌバレエYOKOHAMAのデビュー作。新作世界初演。
10代の若さですでにバレエの道をひたすらに進んでいく大きな覚悟を決めた彼ら。
この作品がプロへの道のりの出発点となることでしょう。
振付:遠藤康行(元フランス国立マルセイユ・バレエ団 ソリスト・ 振付家)
ピアノ:蛭崎あゆみ
オーギュスト・パライエ
川本真寧(2015年オーディション優勝)
縄田花怜(2016年オーディション優勝)
中島耀(2016年オーディション神奈川県民ホール賞)
中村りず(2015年オーディション第3位)
竹内渚夏(2017年オーディション第3位)
丸山萌(2017年オーディション第4位)
亥子千聖(2017年オーディション第5位)
生方隆之介(2017年オーディション第6位)

◆「ラ・バデヤール」幻影の場ソリスト第1ヴァリエーション
オーディションで高く評価された確かな基礎力と、高度な技術力が必要な最後の見せ場が大きな見どころです。
大岩詩依(2017年オーディション準優勝)

◆「ドン・キホーテ」バジル・第3幕
オーディションでは、1ミリたりともぶれない軸の強さを見せつけたピルエット(回転技)で 観客を圧倒しました。まだ中学生とは信じがたいほどの驚異的なテクニックをご覧ください。
松浦祐磨(2017年オーディション優勝)

******************************

Bプログラム 6/10(土)16:00~

◆「バラの精」
バレエ・リュスの代表作ともいえる「バラの精」
二山と竹田が観客を美しい幻の世界へいざなってくれることでしょう。
竹田仁美(NBAバレエ団プリンシパル)
二山治雄

◆「海賊」
公私ともにベストパートナーの2人による安定感抜群のパ・ド・ドゥ、
そして超人的なテクニックは絶対に生の舞台で見るべき!
近藤亜香(オーストラリア・バレエ プリンシパル)
チェンウ・グオ(オーストラリア・バレエ プリンシパル)

◆「ジュリエットとロミオ」よりバルコニーのパ・ド・ドゥ
*日本初演
振付:マッツ・エック
湯浅永麻(元ネザーランド・ダンス・シアター)
アントン・ヴァルドヴァウワー(スウェーデン王立バレエ)

◆「walking with hands」
クラシックとはまた違った世界観による倉永美沙の新たな魅力とその表現を堪能できる作品です。
振付:Paulo Arrais(パウロ・アハイス)
倉永美沙(ボストン・バレエ団 プリンシパル)

◆「ジゼル」
倉永美沙(ボストン・バレエ団プリンシパル)
清水健太(ロサンゼルスバレエ団プリンシパル)

◆「3 in Passacaglia」
2013年、JAPON dance projectによってカンヌで上演された話題作を飯島・八幡・遠藤の魅力的なキャストで再演決定!
振付:遠藤康行
飯島望未(チューリッヒ・バレエ グルッペ・ミット・ソロ)
八幡顕光(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
遠藤康行(元フランス国立マルセイユ・バレエ団 ソリスト・ 振付家)

◆「Que Sera」より~ 熊谷の場合 ~
*+81新作
Aプログラムとはまた違った味わいをお楽しみください。
振付:柳本雅寛
柳本雅寛(コンテンポラリーダンサー +81主宰)
熊谷拓明(ダンス劇作家)

◆「Mononoke」
*シディ・ラルビ・シェルカウイ 新作世界初演
振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ
加藤三希央(ロイヤルフランダースバレエ団)

◆「ソワレ・ド・バレエ」より
米沢唯が2015年の横浜バレエフェスティバルで踊り、そのスーパーテクニックに
拍手喝采となった作品を、今年はなんと畑戸が踊ります!
畑戸利江子(2013年モスクワ国際バレエコンクール 銅賞)

◆「タイトル未定」
*Francesco Curci(フランチェスコ・クルチ) 新作日本初演
芸術監督の遠藤がフランスでその才能に度肝を抜かれた2m級のスーパーダンサー、
オーギュスト・パライエ。その彼が遂に日本初登場!
振付:Francesco Curci(フランチェスコ・クルチ)
オーギュスト・パライエ(カンヌ・ロゼラ・ハイタワー・バレエ学校)

◆「パリの炎」
フレッシュなペアによる競演!
プロ顔負けの高難度技をいとも簡単そうに演じてしまう2人から
一瞬たりとも目が離せません。
大岩詩依(2017年オーディション準優勝)
松浦祐磨(2017年オーディション優勝)

◆「タイトル未定」Bプログラムバージョン
*ジュンヌバレエYOKOHAMAのデビュー作。新作世界初演。
振付:遠藤康行(元フランス国立マルセイユ・バレエ団 ソリスト・ 振付家)
ピアノ:蛭崎あゆみ
オーギュスト・パライエ
川本真寧(2015年オーディション優勝)
縄田花怜(2016年オーディション優勝)
中島耀(2016年オーディション神奈川県民ホール賞)
中村りず(2015年オーディション第3位)
竹内渚夏(2017年オーディション第3位)
丸山萌(2017年オーディション第4位)
亥子千聖(2017年オーディション第5位)
生方隆之介(2017年オーディション第6位)

詳細はこちら⇒ http://yokohamaballetfes.com/