【PICKUPについて】

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PICK UP!

『SHIVERプレミアム2024』出演
木村優里さんインタビュー

新国立劇場バレエ団プリンシパルの木村優里さんが、2021年の横浜バレエフェスティバルに続き、今年は初めてSHIVER プレミアムに出演します。
クラシック全幕作品の主演だけでなく、最近では現代作品のクリエーションに果敢に取り組み、演技面でも成熟を見せてきました。
怪我も乗り越えて、ますます輝きを増してきた人気バレリーナに、SHIVER プレミアムへの意気込みを伺いました。

 

インタビュー:森菜穂美

 

 

木村さんは2021年には横浜バレエフェスティバルに出演されて大変美しく感動的な『瀕死の白鳥』を踊られました。その時にはどのような想いでこの作品を踊られましたか?

そして横浜バレエフェスティバルへのご参加はどのような体験でしたか?

 

初めて『瀕死の白鳥』に挑戦した思い出深い舞台です。酒井はなさんにご指導いただけた事も財産となりました。

「自分の最期を察知し群れから離れる一羽の白鳥。最期に感じるのは暖かい光なのか」ポワントワークの強弱などの繊細な表現や、想像力を使ってひとつひとつの作業を丁寧に積み重ね、イメージと身体を繋げるのは難しくも楽しい作業でした。

 

今回のSHIVER プレミアムは、いつも踊られている新国立劇場のオペラパレスや、横浜バレエフェスティバルの神奈川県民ホールという大きな舞台ではなくて、手を伸ばせば届くような至近距離でのパフォーマンスとなります。普段、そのようなところで踊る機会は少ないと思いますが、お客様の気配や反応も間近で感じられる舞台で踊ることに対して、どのようなご期待がありますか?

 

SHIVER プレミアムは至近距離で、しかも前からだけでなく横方向にも客席があるとお聞きしました。そのようなパフォーマンスは初めての経験ですが、会場のお客様と一緒に素敵な空間と踊りを楽しみたいと思います。

 

 

2021年に横浜バレエフェスティバルに出演されたときには、新国立劇場バレエ団のファーストソリストでした。その翌年にプリンシパルに昇進され、さらに昨年は大きな怪我を克服されての見事な復帰も果たされました。日本を代表するバレエ団のプリンシパルになってから、そして怪我などの試練もあった中での心境の変化やバレエへの向き合い方への変化はありましたか?

 

技術・表現共に言えることだと思いますが….怪我後は常に身体と生きる意識が大切だなと改めて感じました。

自分の身体を知ることができれば、自分だけの動きを探していける‥舞台上でも自然体で演じられるようになるのではないかと思います。心と身体をひとつにして、ちゃんと血が通って呼吸が出来る…技術も表現も、それが舞台に”居る”ということに繋がっていくのだなと。

 

木村さんの舞台を観ていると、目を引く華やかさやテクニックはもちろんですが、役への向き合い方がとても真摯で、役作りが細かくて説得力のある、まるで台詞が聞こえてくるような演技をされていると感じます。もともと演技力が優れておられましたが、ますます深みを増してきたと『ラ・バヤデール』のガムザッティ役などで感じました。役への理解を深めるためにはどのようなことをされていますか?

 

登場人物の目的を考えたり、振り付けから読み解いた台詞を決めてノートに書いたりしています。そしてしっかりと声色まで想像しながら、喋りながら実際に動いてみたり….そうやって心から納得してからだと物語を動かしやすいと感じます。

 

一方で、大和シティー・バレエでの竹内春美さんの『ジゼル』や、池上直子さん振付の「Eden」などクリエーションにも積極的に参加されています。ちょうど目の前に新国立劇場バレエ団での新作『人魚姫』も控えていますが。振付家との創作の仕事にはどんな楽しさや発見がありましたか?

 

振付家から要求されたことにチャレンジするのは楽しいです。

カウントが精密に決まっていたり、逆にインプロ要素を求められたりと、振付家によって様々なので毎作品刺激的です。

新制作の『人魚姫』でも、貝川鐵夫さんの世界観を忠実に表現出来るよう努めたいと思います。

 

新国立劇場バレエ団の活動では、芸術監督や先生方、さらには外部から招かれた振付家や教師の方から指導を受けられていると思います。最近こんな指導を受けて印象的だった、発見があったというエピソードがあったら教えてください。

 

先日の『アラジン』でルビーとサファイアを踊らせていただきましたが、テクニックで問題なく踊り切るとビントレーさんに難易度を上げるように提案をされました。リフトがよりスピーディーさを求めたアクロバティックなものになったり、、挑戦し続けていくと『良くなっているね』と。本番後は『すごく良かった』と褒めていただいてホッとしました。

ダンサーは再演であっても常に挑戦をしていくべきだと改めて感じました。

 

これからダンサーとしてますます充実していく年代となっていきますが、新しいシーズンが控える今、木村さんはこれからどんなことを大切にして、どのようなダンサーを目指していきたいと思っていますか?

 

舞台上に存在するだけでお客様を物語に引き込めるようなダンサーでありたいです。

そして、いただいた一つ一つの役に丁寧に向き合い踊っていきたいと思います。

 

前回お話を伺ったときには、踊りたい役がたくさんありすぎて「これ」ということに絞り切れない、目の前のことをまずは一生懸命やっていきたいとおっしゃっていましたが、今、挑戦してみたい役はありますか?

 

『マノン』や『アンナ・カレーニナ』のタイトルロール、『こうもり』のベラを踊りたいです。

 

木村さんは、Instagramで「ユリリズム」という可愛らしくユニークなアニメーション動画作品も作られていて、その豊かな感性と多才ぶりには驚かされています。どのようなきっかけでこのシリーズは始められましたか?

 

怪我をして踊れない期間、病院の待ち時間に描き始めたのがきっかけです。自分は動けないけれど、画面上のキャラクターを代わりに踊らせて悲しい気持ちを紛らわせていました。

 

休みの日にしていることや、個人的なマイブームがあったら教えてください。

 

休みの日にジャイロトニックを長時間やりこむのが今のマイブームです。

 

SHIVERプレミアムで木村さんの踊りを楽しみにしているファンの皆様へのメッセージをお願いします。

 

いつも応援してくださる皆さま本当に有難うございます。そして初めての方も、皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!!

 


 

2021年木村優里さんインタビューは、こちら

 

【公演情報】

 

 

2024年7月20日(土)
昼公演 14:10開場・14:30開演、夜公演 18:10開場・18:30開演
2024年7月21日(日)
昼公演 14:10開場・14:30開演、夜公演 18:10開場・18:30開演

“超”至近距離で観る、ワールドクラスのバレエパフォーマンス

会場:The Hall Yokohama

 

チケット好評発売中
残席残りわずかとなります。
SHIVERプレミアムホームページ

 

プロデューサー:吉田智大


 

 

2024年8月3日(土)前夜祭
2024年8月4日(日)横浜バレエフェスティバル2024

~バレエの“力”が”かながわ”へ集結~

会場:神奈川県民ホール

 

横浜バレエフェスティバルホームページ

チケット好評発売中

 

芸術監督:遠藤康行
プロデューサー:吉田智大