魂が震えるプレミアムなバレエ体験「Shiver」でこの夏、困難を乗り越えるパワーと希望を受け取って
文：森菜穂美
魂が震えるプレミアムなバレエ体験「Shiver」でこの夏、困難を乗り越えるパワーと希望を受け取って
２０１５年に始まり、今年で６回目を迎える夏のバレエの饗宴、横浜バレエフェスティバル。そのプロデューサーである吉田智大が、公演リハーサルの時に至近距離で感じたダンスの迫力を観客にも感じてほしいと、２０１９年にフランスで実験的に行ったダンサー４名、観客３０名の公演が「Shiver」の原点。この公演に大きな手ごたえを感じ、神奈川県民ホールの舞台上で行った「横浜バレエフェスティバル前夜祭」、そして新宿村スタジオで観客５０名の日本初の「Shiver」が実施されました。
そして２０２０年夏には、本格的に「Shiver」が始動。世界で活躍するトップレベルのダンサーと、これからスターになって羽ばたく若手ダンサーたちの熱いパフォーマンスを、３列目までしかない座席で、少人数の観客として目の前で体感できる「Shiver」。ほかでは経験できない、「ダンスを全身で感じる」、文字通り魂が震える（＝Shiver）忘れがたい体験でした。普段見ることができない、ダンサーたちの日ごろのクラスレッスンやウォームアップの様子を見た後に、それぞれのアーティストのパフォーマンスが繰り広げられます。クラシック・バレエのヴァリエーションやパ・ド・ドゥから、ここでしか観ることができないコンテンポラリー作品や世界初演のクリエーション。今まさに花開こうとする若き才能から、一流ミュージシャンとアリーナクラスで共演するダンサー、世界のひのき舞台を飾るスターまでもが、手を伸ばせば届くような距離で、同じ空間に存在していました。
人間技とは思えない高さで飛翔し、時を止めたように静止し、細かい筋肉、つま先や指先の動きや息遣い、振動、体温までもが感じられます。磨き抜かれたテクニックと共に、アーティストの一瞬一瞬の心の動き、ライブパフォーマンスの緊張感、魂から訴えてくるメッセージ、繊細な心の震えまでもが波動となって伝わってきます。生身のふれあいを感じることが難しい昨今、このような五感を刺激しライブ感に満ちた至高の芸術体験は、滅多に味わえないものとして、生きる力を与えてくれるに違いありません。
今年の「Shiver」に出演するアーティストは、横浜バレエフェスティバルでおなじみのメンバーを始め、バラエティに富んだトップダンサーばかりです。
今やハンブルク・バレエのプリンシパルとして、巨匠ジョン・ノイマイヤーの信望も厚く、輝かしい技術と共に表現力にも磨きをかけた菅井円加。ジャン・クリストフ・マイヨーのミューズとして、洗練された美を体現する小池ミモザ。シャネルのアンバサダーとしても活躍するなどモード界からも熱い視線を浴びる新世代バレリーナ飯島望未。パリ・オペラ座のエレガンスを体得し、驚くべき柔軟性と重力の存在を忘れさせるほどの飛翔を見せるニジンスキーの再来、二山治雄。名匠プレルジョカージュ、そしてコンテンポラリーサーカスの第一人者であるヨアン・ブルジョア作品などでクリエイターを刺激する津川友利江、俊英ウェイン・マクレガーの薫陶を受けて自らの創作も行い、トム・ヨークや宇多田ヒカルと共演し、数々のCM出演でも注目される女神、高瀬譜希子。フランス、ドイツ、ベルギーで活躍した後、ベルリン国立バレエで才能を発揮するディーヴァ、オステアー紗良。ヴァルナ国際バレエコンクール受賞後ベルリン国立バレエで早くも開花し、「くるみ割り人形」などで主演もしている、地元横浜出身の井関エレナ。そして華やかな国際コンクール受賞歴ののち、ともに英国ロイヤル・バレエ・スクールで学び、これからの飛躍が期待される注目の若手、中野里美と松浦祐磨も見逃せません。
その瞬間にしか味わえない生のバレエのパッション、美しさ、儚さ、エレガンス。真の芸術家だけが発揮できるまばゆい輝きは、困難な時代にあって、奮い立たせてくれる力と希望を私たちに与えてくれます。魂を震わせるバレエの魅力が体感できる贅沢な体験を味わいに、この夏は「Shiver」に足を運んでみませんか。
SHIVER公演概要ホームページ
https://miitus.jp/t/shiver/
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投稿日： 2021 年 5 月 14 日
カテゴリ： 公演プレビュー（レビュー）, イベント
