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【PICKUPについて】

このコーナーはバレエナビが取材させて頂いたホットな話題を取り上げております。
バレエやダンスに関する人・商品・サービス・イベント・公演など取り上げさせて頂く話題は多岐にわたります。
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PICK UP!

唐津絵理(DaBYアーティスティックディレクター)インタビュー
横浜に新たなダンスの拠点Dance Base Yokohama(DaBY)が誕生!

2020年6月25日(木)、横浜・馬車道に「新しいパフォーミングアーツの拠点」としてDance Base Yokohama(愛称はDaBYで「デイビー」と読む) がオープンしました。DaBYは、「プロフェッショナルなダンス環境の整備とクリエイター育成に特化した事業を企画・運営するダンスハウス」として、一般財団法人セガサミー文化芸術財団が運営しています。DaBYアーティスティックディレクター、愛知県芸術劇場シニアプロデューサーの唐津絵理さんに設立趣旨や今後の展望をお聞きしました。

 

インタビュー:高橋森彦

 

唐津絵理 (C)Takayuki Abe

 

――DaBYのコンセプトは4つあります。まず最初に「つくる」。「プロフェッショナルなクリエイターによるダンス作品の創作」「創作活動の成果発表の場となるトライアウト公演」を挙げられています。

日本にはアーティストが創ることのできる環境が少ないので、レジデンス(滞在創作活動)をメインに考えています。そして、ただ空間としての場所があるだけでなく、創る原動力となり、普段考えていることがひらめきにつながる空間になればと願っています。
DaBYでは作品発表だけを目指すのではなく、トライ&エラーを繰り返してもらいたい。ある意味失敗のできる場所というか実験ができる空間にしたいんです。クリエイティブなものの本質は、遊びや余白から出てくると思います。そこを大切にしたいですね。

 

DaBYエントランス 提供:Dance Base Yokohama

 

 

――2つ目の「そだてる」ということについてお聞かせください。

ダンスエバンジェリスト(伝道師)の小㞍健太さん(ネザーランド・ダンス・シアター Ⅰ 出身)がダンスクラスのファシリテーターとなって、クリエイティブなダンス環境の創造を目指していきます。プロフェッショナルとそれを目指す若いダンサーたちが、ダンス・アーティストとしてクリエイションができる能力、具体的にはダンスの技術や表現を思考する感性を養ってもらいたい。そして、多岐にわたる舞台芸術において質の高いパフォーマンスを継続していくための場を作っていきたい。たとえば、音楽をサウンドアーティストの方に提供していただいたり、共に即興を行ったりと、「教える」のではなく「シェアワーク」という手法を使います。小㞍さんが、これまでの経験を活かしたオリジナルのプログラムで新しい取り組みを行っていく予定です。

 

DaBYアクティングエリア 提供:Dance Base Yokohama

 

 

――ダンスの環境改善やステップアップのためのセミナーもやっていくそうですね。

舞踊や音楽、美術などの芸術全般の歴史、解剖学や音楽の分析といった知識についてももっと知ってほしいですね。ダンスは複合芸術なので、振付家・演出家は音楽や美術・照明も含めて総合的に演出しなければなりません。社会学や美学といった教養も必要です。現代的な作品を創るには、社会に対する問題意識を持つことがとても大切。また法律・契約関係のレクチャーも考えています。著作権や身分の保証について知ることはアーティストとして生きていく上でとても重要ですから。
また、アソシエイトコレオグラファーの鈴木竜さんが進めていくクリエイションは、コレクティヴという手法で行います。音楽や舞台美術の人たちと共に集団で創る共同体にしていきたい。これはDaBYのコンセプトとも重なるのですが、異ジャンルの方々と触発し合うことによって、作品も思いがけない展開があったり、お客さんも広がったりすると思うんです。ダンスに縁が無かった、異ジャンルのアーティストにも声をかけて一緒にトライして、作品を創っていきたいですね。

 

小㞍健太によるプロラボ「クラス」の風景  (C)金子愛帆 提供:Dance Base Yokohama

 

 

――3つ目の「あつまる」についてうかがいます。その1つがグランドオープンの際に山本康介さん(元英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)を招いた「オープンラボ」です。

「オープン」と称しているように、多様な方々にDaBYにお越しいただきたい。8月の終わりには、飯島望未さん(ヒューストン・バレエ プリンシパル)をお招きします。DaBYに来ないと聞けないようなお話をなるべく話していただきます。そうすればDaBYに行ってみたいという気持ちにもなりますし、それでダンスが近いものになってもらえれば良いと考えています。

 

――アーカイブ機能も強化していきたいそうですね。

 

今は本だけですが、公演プログラムや記録映像も増やしたい。DaBYに来れば書籍や映像を観ることができるという環境にしたいですね。ダンスにまつわる展示や上映会も開催していきたいと思っています。

DaBYアーカイブエリア 提供:Dance Base Yokohama

 

 

――最後の「むすぶ」ということについてお話しください。

DaBYは、劇場ではなく創る場所です。いっぽうで、日本の劇場は創る場を持っていないことが多い。そこでDaBYで創作し、トライアウトを重ね、各劇場や私がいる愛知県芸術劇場で上演したいと思っています。いずれは世界各国のダンスハウスとエクスチェンジして、海外の劇場やフェスティバルでも上演できる仕組みを作りたいです。

 

――社会貢献も「むすぶ」こととして挙げられています。

ダンスを日常的に観ることができる環境を作ります。クリエイションの現場を一般の方にもご覧いただきたいですし、先日は夏休みにあわせたキッズ・プログラムも開催しました。体感が重要で、自分が真に感動できるものに出会わないと好きにはなれないので、若いときにいいものを観てもらいたい。まだ具体的ではないのですが、横浜市内の学校にアウトリーチ(出張公演)するようなこともやれるといいですね。

 

オープンラボvol.1「ダンサー言葉で踊る」の様子 (C)金子愛帆 提供:Dance Base Yokohama

 

 

――横浜はダンスが盛んです。神奈川県民ホールでは、国内外の有名バレエ団の公演や2015年から始まった「横浜バレエフェスティバル」が行われています。また先鋭的なパフォーミングアーツやダンスも取り上げるKAAT神奈川芸術劇場が2011年にオープンしました。毎年国際ダンスフェスティバル「横浜ダンスコレクション」を催す横浜赤レンガ倉庫1号館の存在も大きく、象の鼻テラスやSTスポット横浜もダンスに力を入れています。さらには3年に一度のビッグイベント「Dance Dance Dance@ YOKOHAMA」、毎年行われる国際芸術見本市「TPAM – 国際舞台芸術ミーティング in 横浜」などもあります。横浜にあることを活かしてやっていきたいことは何でしょうか?

横浜を選んだのは復元する歴史的な建築物を文化施設として使わないかという出会いがあったからです。運命というのでしょうね。私にとって横浜は、1989年の「ヨコハマ・アート・ウェーブ」で一番最初に国際的なダンスに出会った“ダンスの街“です。その後も、横浜=ダンスを観に行くという場所になっています。そんなダンスに関わる各所と連携して、さまざまな人に観ていただける機会を設けていきたい。またパブリックと民間、劇場とレジデンスの場との違いを補完し合うことによって、より良いものが生まれる可能性があると考えています。

 

――愛知県芸術劇場シニアプロデューサーとして国内外を東奔西走されているのに加え、今回新たにDaBYを主導していきます。唐津さんを駆り立てる原動力は何ですか?

海外に行けば行くほど、日本のダンス環境を貧弱だと感じます。もちろんヨーロッパのような長い歴史のある国と比較しても仕方ないのですが、日本のパフォーマーは国際的に活躍をしていて、ダンスに関わる人口はとても多い。その人たちが、ダンスを仕事にしていくためにはどうしたらよいのか、ずっとなんとかしたいと考えていろいろとトライしてきましたが、残念ながら自分が所属する劇場だけで頑張っていても、日本全体のボトムアップというまでにはならないわけですね。だから他のダンス事業を行っている文化施設との連携にも積極的に取り組んできました。それでもいまだにダンスを扱う劇場は増えてはいません。より多くの志を共にする関係者や場が一緒に動き、各点が線になり、線が面になっていけば、ダンス界全体の底上げができます。DaBYをその磁力を持ったひとつの点にしたかった。あと関東圏だと一地方都市でやるよりも影響力があると思いますし、世界ともつながりやすい。私自身が長年疑問に思っていたり、「こうしたい」と考えていたりしたことが、いま、こうして様々な縁をいただいて集約していっているなと感じています。

 

プロラボ「クローズドリサーチ」 提供:Dance Base Yokohama

 

 

――日本ではバレエとコンテンポラリーダンスの観客層が違っていたり、関係者間の交流・理解がまだまだ進んでいなかったりする面もあるかと思います。そこをどう考えていますか?

DaBYは新しいチャレンジをしたい人が集まれる場所になればいいなと思っています。バレエがベースにあっても新しいチャレンジはできる。逆にコンテンポラリーダンスといっていてもルーティン化して同じようなことばかりをやっていれば、もはやコンテンポラリーではありません。実はジャンルはあまり関係がなくて、一緒に日本のダンスを改革していきたいという方々とやっていきたい。ダンスにはこだわりますが、ダンスのイメージを固定することなく、「ダンス」の指す内容をかなり広く考えています。

 

――国内外の舞台芸術に精通し、さまざまな現場を経験してこられた立場から、若いダンサーやプロを目指す人に「これだけは大事にしてほしい」というアドバイスはありますか?

好奇心を持ってもらいたいですね。自分が必要じゃないと思うことのなかに大切な部分があるかもしれない。自分の可能性を自分で狭めないでほしいです。好奇心を持つことにより、自分の感覚や興味に引っかかることが増えていき、世界が広がっていきますから。

 

トライアウト&オープンブレスト 平原慎太郎新作『えんえん』ゲネプロ(C)金子愛帆 提供:Dance Base Yokohama

 

 

――ダンスの環境整備にはアーティストを支えるスタッフの力が必要です。プロデュース・制作・運営などの専門性を身に着けるにはどうしたらいいのでしょうか?

「裏方と踊る人」のように関係性を固定化しないような体制を作りたい。DaBYでは、スタッフも皆クリエイターと呼んでいます。制作や運営でも、決まりきった仕事をするのではなく、クリエイティビティを持って作品や状況に応じて変化していく。いまはそれを楽しめる人材が集まっていますし、これからも集まってほしいです。
日本で制作者が育たない要因のひとつは、経済的にも厳しいなかで一人の人間が制作にまつわる何もかも全部やらざるを得ない状況があり、負担になっていることです。そうではなくて、それぞれの向いているところを伸ばすのが皆にとって一番幸せだと思うんですよ。アーティストに関しても同じなのですが、皆が一様なわけではないですから、それぞれの能力やクリエイティビィティを活かせる場所にしていきたいです。

 

――新型コロナウイルス感染症拡大の影響でオープンが遅れ、オープニング事業が中止・延期になりました。軌道修正を余儀なくされた面もあると思いますが、DaBYの今後の展望をお聞かせください。

今年一年は実験です。何をすればダンス・アーティストやプロを目指す皆さんにとって役立つのかを探りたい。私の願望としては、DaBYで創られた作品が国内外で上演され、アーティストやスタッフの仕事につながるようにしたいですね。それから、これは夢ですが、ダンス専用の劇場がほしい。夢は語らないと叶いません。「ダンスハウスを創りたい!」といっていたら、今回のお話が舞い込んで来ました。いま日本の劇場ではダンスは添え物なので、海外のようにもう少しダンスを集中的に見せていける劇場があれば、状況が相当変わっていくと思います。


★ ☆ ★ 施設情報 ★ ☆ ★

 

Dance Base Yokohama(DaBY)

 

KITANAKA BRICK&WHITE BRICK North 3階
神奈川県横浜市中区北仲通5-57-2

 

開館日:火〜土 10:00-18:00 休館日:日・月
※月曜日が祝日の場合は、その翌日に休館いたします
※みなとみらい線馬車道駅直結

https://dancebase.yokohama/

 

★ ☆ ★ DaBY 今後のイベント★ ☆ ★

 

「ダンステレポーテーション」展 ~時空を超える振付、浮遊する言葉と身体~
振付ディレクター: 山﨑広太
ダンスアーティスト:岩渕貞太・小暮香帆・小野彩加・金子愛帆・木原萌花・久保田舞・栗朱音・ながや こうた・幅田彩加・望月寛斗・横山千穂
■開催日程:8月7日(金)から9月13日(日) 10:00~18:00(火~土 / 日・月休)
■参加費:無料
■インスタレーションパフィーマンス:8月16日(日)15:00~ / 8月28(金)18:30~

 

OpenLab「ダンサー言葉で踊る」vol.2
8月27日(木)19:00-21:00
ゲスト:飯島望未 (ヒューストン・バレエ団プリンシパルダンサー)
ナビゲーター:唐津絵理 (DaBY アーティスティックディレクター)
ホスト:小㞍健太 (DaBYダンスエバンジェリスト)
■開催形式 トークライブ (定員 20名) 料金:2500円 (税込)

 

DaBYコレクティブダンスプロジェクト 新作トライアウト
8月30日(日)16:00-
演出・振付:鈴木竜(DaBYアソシエイトコレオグラファー)
■上演形式 【ライブパフォーマンス(限定20名)】
【ライブストリーミング】
DaBYチャンネル(https://www.youtube.com/c/DanceBaseYokohama)にて配信

 

TRIAD INTERMISSION Vol.2 「『瀕死の白鳥』を解体したソロ」プロセストーク
9月3日(木)19:00-20:30
ゲスト:岡田利規 (演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰)
酒井はな (バレエダンサー)
四家卯大 (チェリスト)
ナビゲーター:唐津絵理 (DaBYアーティスティックディレクター)
■開催形式 【トークライブ (限定 20 名)】 料金 2500 円 (税込)
【ライブストリーミング 】 料金:無料
DaBYチャンネル(https://www.youtube.com/c/DanceBaseYokohama)にて配信

 

OpenLab「ダンサー言葉で踊る」vol.3
9月12日(土)15:00-17:00
ゲスト:島地保武(振付家、ダンサー、ユニットAltneu〈アルトノイ〉)
ナビゲーター:唐津絵理(DaBY アーティスティックディレクター)
ホスト:小㞍健太(DaBYダンスエバンジェリスト)
■開催形式 トークライブ (定員 20名) 料金 2500円 (税込)

 

ProLab「Master Class」vol.2
9月18日(金)19:00-21:00
9月19日(土)14:00-16:00
■講師:TATSUO
■料金:3000円 (税込)
■対象:日本を拠点に活動するプロフェッショナルダンサー