【PICKUPについて】

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PICK UP!

「SHIVER 2020 夏」に出演!
東真帆(パリ・オペラ座契約団員)インタビュー

世界最古にして最高峰の名門パリ・オペラ座バレエ団で契約団員として踊る東真帆さん。コンクール時代から注目され、現在プロとして活躍中の東さんに、これまでの軌跡やパリでの舞台生活、この夏出演する「SHIVER」への意気込みをうかがいました。

 

インタビュー:高橋森彦

 

 

――6歳から長野の白鳥バレエ学園でバレエを始められました。習い始めたきっかけは何ですか?

初めに母からバレエを習ってみないかと提案されました。ですが、当時の私はとても人見知りだったので、初めての場所や人がとても怖くレッスンをすることを渋っていました。そこで、仲良くしていた友人を何人か誘い習い始めました。

 

――将来プロのバレリーナになりたいと思われるようになったのはいつ頃ですか?

コンクールに出始めた小学5年生の頃だと思います。ただバレエが好きで、無我夢中でレッスンをしていました。また両親にはたくさんの舞台を見に連れて行ってもらいました。家でも毎日さまざまなDVDを見ていました。中でもオーレリー・デュポンとマニュエル・ルグリの『眠れる森の美女』のDVDを何回も見返していました。
高校生になった頃くらいからは、経験や学びが増えましたが、それによってプロのダンサーになる厳しさを実感しました。今でもプロとして自分はどうなのだろうかと悩むことはありますが、多くの方に支えていただいています。何より舞台で踊ることが好きなので、これからも向上心を忘れずに頑張りたいと思っています。

 

 

――白鳥バレエ学園の創立者は塚田たまゑ先生で、塚田みほり先生、塚田まゆり先生がいらっしゃいます。先生方からどのようなことを学びましたか?

先生方からは厳しい言葉をかけられることもありますが、それは愛のある指導だと日々感じます。私は器用ではなく、指導していただいたことをすぐにできるタイプではありません。今の自分があるのは、そんな私でも見捨てず指導し続けてくださった先生方のおかげです。
また、先生方は多くの機会をあたえてくださいました。白鳥バレエ学園は舞台の回数が多く、コンクールや短期留学もたくさん経験しました。海外の先生を呼んで指導していただいたり、海外のプロのダンサーや世界中で活躍している先輩方と同じ舞台に立たせていただいたりしました。その経験によって、さらにプロになりたいと思うようになりました。
それから、バレエだけでなく日々の生活面でも先生方から学びました。先生方からよく言われるのは、「感謝の気持ちを決して忘れてはいけない」ということです。日々自分の好きなバレエができているのは支えてくれる両親のおかげで、それが当たり前ではないということを忘れてはいけないとよく言われました。そして、今はコロナの影響で思うようにレッスンができていない方は大勢います。その中で、私はこうしてパフォーマンスをする機会をあたえていただき、そのために練習することもできて幸せだと思います。

 

――2017年の「ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)」NY決選シニア部門TOP12に選ばれ、2018年の「ヨーロピアン・バレエ・グランプリ」ではプロフェッショナルジュニア部門第3位を受賞するなど国内外のコンクールで上位に入られました。

コンクールには小学5年生の頃から出ていました。初めの2年ほどは決選に行くこともできず、いつも泣いていましたが、それでもたくさんのコンクールに出場していました。初めて決選に行けた時はとても嬉しかったことを覚えています。そこから少しずつ自信がつき、実力もついたのではないかと思います。それ以後もコンクールで失敗したり、思うようにいかなかったりしたこともありましたが、結果よりも練習過程が大事だと思っていましたし、なによりも踊ることが好きでした。今思えば、最初の頃に諦めず、両親や先生方に支えてもらいながら挑戦し続けて良かったと思います。

 

――その後、ウィーンに留学されました。

ウィーン国立バレエ団のジュニアカンパニーに1年間いました。ウィーンに行くきっかけは2017年のYAGPのNY決選です。当時ウィーンのディレクターをしていたマニュエル・ルグリが審査員として来ていました。大スターのルグリから直接スカラシップをいただいた時は震えが止まらなかったです。
ジュニアカンパニーに入ってからはバレエ団のリハーサルに代役として参加していました。何度か舞台に立たせていただくこともありました。ルグリに指導していただいたこともあり、その度に緊張していました。ジュニアカンパニーとしての活動もあり、オペラの舞台にダンサーとして参加する機会もありました。オペラの方が歌っている中で踊るのは新鮮でした。

 

――2018年にパリ・オペラ座から短期の契約を得て、パリ・オペラ座バレエ団で踊られています。オペラ座で踊りたいと思われた理由をお聞かせください。

やはり小さい頃からDVDなどをよく見て憧れていたのは大きいと思います。あのガルニエ宮の舞台で踊れたら夢のようだろうなと思っていましたが、バレエの世界を良く知るようになってからは、それがどれだけ大変なことかも分かるようになりました。

 

 

 

――パリ・オペラ座の公演に実際に出るようになって、「やはりオペラ座のここが凄い!」と思われた点はどこでしょうか?

コール・ド・バレエ(群舞)のリハーサルでは、ポーズの場所やライン、タイミングを細かく合わせます。本番やリハーサルの時に音楽と合わせ、それらのタイミングがぴったりと合うと鳥肌が立ちます。
日々のクラスではエトワール(最高位のダンサー)の方々と一緒にレッスンを受けることができます。彼らが近くで踊っていると、見入ってしまいます。クラスを見るとどんなことを意識しているか、どのようなトレーニングをしているかが分かるので、とても勉強になります。

 

――オフをどのように過ごしていますか?

オフの日は基本的に溜まってしまった家事を済ませます。掃除をすると気持ちがスッキリするので私は好きです。あと街中を散歩するのも好きです。街並みが日本とは違うので、どこを歩いていても楽しいです。
パリの好きな場所はモンマルトルです。サクレ・クール寺院まで登ると市内を一望できます。朝早くに起き、日が昇るのを見に行ったこともあります。

 

 

――2019/2020シーズンはストライキで公演が減り、2020年3月半ば以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響により再開できないまま終わってしまいました。その間の2020年2月~3月に日本公演が行われ『ジゼル』に出演されました。激動の日々だったと思いますが、どのような気持ちで過ごしていましたか?

2019年12月からストライキが始まりました。『ライモンダ』の公演は初日だけ上演され、後は無くなってしまいました。ですが、次に『ジゼル』と日本公演を控えていたので、その間もリハーサルがありました。メトロが止まってしまい、ガルニエまで歩いて通っていたので少し大変でした。
『ジゼル』の配役が出た時に、ウィリーの24名に入っていてとても驚きましたが、非常に嬉しく、すぐに両親や先生方に伝えました。本役でのリハーサルは常に気を張って臨んでいました。団員の方々は質問するといつも丁寧に教えてくださるので、とても助かりました。
ガルニエでの『ジゼル』も何回かストライキのために無くなってしまいましたが、ほとんどの舞台は行われ、私も舞台に立つことができてとても良い経験となりました。
その後、日本ツアーでした。2月の後半に来たので、ちょうど日本でコロナが流行り始めた頃でした。日本公演をやるかどうか分からないという空気もありましたが、無事にできました。観客の皆さんはマスクをつけていたので、その時はとても不思議な感じに思いました。
その頃の私はツアー後にパリに戻り、今まで通りに過ごせると思っていました。ですが、全くそうはいかず、日本に残ることにしました。オペラ座側と連絡を取りながら戻ることも考えていましたが、今シーズンはもう終わってしまいました。少しでも早くこの状況が良くなって、今までのようにとはいかなくとも、舞台に立てるようになることを願っています。

 

――パリ・オペラ座で活躍されている二山治雄さんは白鳥バレエ学園の先輩です。どのような存在ですか?

学生時代からレッスンを一緒にしています。人より何倍も練習し、細かいところまでこだわって極めている姿を見ていました。彼がいたからこそ、気づけたことはたくさんあると思います。また、舞台でも一緒に踊る機会をいただきました。彼と踊ると緊張しますが、そんな私を精神面でも気遣ってくれます。私は自分のことで精一杯になってしまいますが、彼はいつも周りにも目を配り、自分のパフォーマンスも完成させています。とても尊敬しています。

 

――「SHIVER 2020 夏公演」に出演されます。ヴァリエーション(ソロ)のほか、二山さんと『グラン・パ・クラシック』よりグラン・パ・ド・ドゥ、『眠れる森の美女』第三幕よりグラン・パ・ド・ドゥ(オペラ座版)を披露します。オペラ座ならではの作品ですが、二山さんと一緒にどのようなアプローチでリハーサルをされていますか?

オペラ座のテクニックは足先を細かく使うことが多く苦戦します。細かくかつ正確に足先を使うことを意識して練習しました。上半身の使い方もオペラ座のニュアンスが出るように研究しました。

 

――「SHIVER 2020 夏公演」への意気込みをお願いします。

世界で活躍している方々と共演させていただくということで、とても緊張しています。ですが、コロナのために舞台ができない状況の中で、横浜、京都それに地元長野の戸隠でパフォーマンスをする機会をいただけてとても幸せです。見に来てくださる皆さんが幸せな気持ちになっていただけるように頑張ります。

 


 

【SHIVER2020 夏公演予定】
※各公演の上演時間は75分前後を予定しております。

 

7月31日(金)SHIVER横浜
(旧名称:横浜バレエフェスティバル2020前夜祭)
会場:The Hall Yokohama(90席)
開演:19:30
出演者:二山治雄・東真帆・高瀬譜希子・遠藤康行(進行・指導)・ジュンヌバレエYOKOHAMA
~完売~

 

8月1日(土)SHIVER横浜
会場:The Hall Yokohama(93席)
開演:昼公演 14:00  / 夜公演 19:00
出演者:二山治雄・東真帆・柳本雅寛・高瀬譜希子・飯島望未・中島映理子
https://ballenta.net/shiveryokohama

※キャストの変更がございます。↓こちらからご確認ください。
https://ballenta.net/shivercastnews200702

 

8月2日(日)SHIVER横浜
会場:The Hall Yokohama(93席)
開演:17:30
出演者:二山治雄・東真帆・柳本雅寛・高瀬譜希子・飯島望未
https://ballenta.net/shiveryokohama

※キャストの変更がございます。↓こちらからご確認ください。
https://ballenta.net/shivercastnews200702

~8月2日(日)のS席は、残り2席となっております。~
※どうぞお早めにお求めください。(2020年7月17日現在)

 

8月8日(土)・9日(日)SHIVER戸隠(長野県)
会場:佐藤健作戸隠稽古場(100席)
開演:8日(土)15:30 / 9日(日)13:30開演
出演者:小池ミモザ・二山治雄・東真帆・高瀬譜希子・佐藤健作(和太鼓)
https://ballenta.net/shivertogakushi
8月8日(土)・8月9日(日)S席完売~
※A席は、両日とも引き続き販売いたしております。(2020年7月17日現在)

 

8月15日(土)SHIVER横浜
会場:The Hall Yokohama(93席)
開演:昼公演 14:00  / 夜公演 19:00
出演者:二山治雄・東真帆・柳本雅寛・高瀬譜希子・ 中島映理子
https://ballenta.net/shiveryokohama

※キャストの変更がございます。↓こちらからご確認ください。
https://ballenta.net/shivercastnews200702

 

8月17日(月)・18日(火)SHIVER京都
会場:ロームシアター・ノースホール(84席)
開演:17日(月)19:30 / 18日(火)19:00
出演者:米沢唯・木下嘉人・二山治雄・東真帆・高瀬譜希子・佐藤健作(和太鼓)
https://ballenta.net/shiverkyoto


 

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