シャープ、かつドラマティックな現代版「海賊」 / 	『くるみ割り人形』

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PICK UP!

『横浜バレエフェスティバル』初出演!
前田紗江インタビュー(英国ロイヤル・バレエ団)

2019年8月3日(土)に行われる『横浜バレエフェスティバル2019』に前田紗江さんが待望の初登場! 2014年のローザンヌ国際バレエコンクール第2位・スカラシップ賞受賞を経てロイヤル・バレエ・スクールに留学し、現在は英国ロイヤル・バレエ団で活躍中です。前田さんに今までの軌跡やロイヤル・バレエでの日々、『横浜バレエフェスティバル2019』への抱負を伺いました。

 

インタビュー・文:高橋森彦

 

 

■プロ前夜まで

 

――横浜のご出身ですね。バレエは何歳の頃から始めましたか?
7歳から木ノ内真百美先生のスタジオ(マユミ キノウチ バレエ スタジオ)で習い始めました。家から5分くらいと近く姉が先に習っていました。
お衣裳が素敵だったのがきっかけです。よくあるパターンですね(笑)。

 

――木ノ内真百美先生はご子息の木ノ内周さん(ヒューストン・バレエ)や前田さんら海外で活躍しているダンサーを輩出し指導力に定評があります。どのような指導でしたか?
基本をきっちりと教わりました。小・中学生の頃は毎日2クラス受けていました。簡単なクラスと難しいクラスを受けて、バーレッスンも2度やっていました。コンクールのための自習も毎日2、3時間やっていました。
コンクール指導では基本に加えて音楽性を大事にしていました。厳しかったですが、今考えると、そうやっていただけてよかったです。留学しても、それほど厳しく注意してもらったりすることはありませんでした。

 

――コンクールにたくさん出られたと思いますが、その頃を振り返って感じることは?
小学4年生くらいから出るようになり、中学1、2年生の頃に入賞することが増え、プロのバレエダンサーになりたいと思うようになりました。今考えればコンクールに出て舞台慣れしていたことがスクール時代もカンパニーに入ってからも役に立っています。

 

――2014年にローザンヌ国際バレエコンクールで第2位・スカラシップ賞を受賞されました。ローザンヌに出ようと思われたのは2年前にローザンヌで1位になった菅井円加さんに憧れたからだそうですね?
はい。テレビで大きく報道されているのを見て、私もローザンヌに出てチャレンジしたいと思いました。

 

――ローザンヌのスカラシップでロイヤル・バレエ・スクールを選ばれた理由は?

ローザンヌに出場する半年くらい前にスカラシップをもらってロイヤル・バレエ・スクールのサマースクールに行きました。その時に環境を気に入っていました。

 

――スクールでどのようなことを吸収しましたか?
重心の位置やポール・ド・ブラ(腕の運び)を一から習いました。キャラクターダンスやコンテンポラリーダンス、アクティングの授業もあって勉強になりました。卒業公演では『レ・シルフィード』のソロとマクミランの『コンチェルト』を踊りました。在学中からロイヤル・バレエに入りたいと思っていました。レパートリーが好きでしたし、好きなダンサーもいっぱいいました。特にマリアネラ・ヌニェスさんが好きで、スクール入学時にヌニェスさんが踊る『マノン』を見て、それが一番印象に残っています。上半身とかすべてですが踊り方が他の人とは違っていました。

 

 

■ロイヤル・バレエでの日々

 

――英国ロイヤル・バレエ団に2017/18シーズンに研修生として入団し、翌年シーズンから正式に団員となりました。憧れのカンパニーに入られての感想は?
毎日スケジュール的に大変ですね。10時半からクラスレッスンを1時間15分やったあと12時から18時半までリハーサルです。舞台がある時は17時半まで。それが週6日ですね。今シーズンは特に大変で時間がなく、3~5つの作品を並行してリハーサルしていました。周りのダンサーも凄いし毎日勉強ですね。

 

(C)Rachel Hollings

 

――思い入れのある役・舞台は何ですか?
今年大きな役をやらせてもらいました。リアム・スカーレットの『アスフォデルの花畑』のパ・ド・ドゥです。7分くらいの踊りですが今までで一番大変で、終わった後は息ができないくらいでした。リアムにはスクール時代に一度振付してもらったことがありました。
リアムが昨年改訂して新制作した『白鳥の湖』も好きですね。音楽性が高く、4幕の振付はオリジナルです。1日2公演の時もあってコール・ド・バレエ(群舞)を踊るのは体力的に大変でしたが好きでした。ウェイン・マクレガーの『インフラ』を踊ったのもチャレンジでした。

 

――今ではローザンヌでもバレエ出身ではない鬼才マクレガーの作品が課題になっています。話が戻りますが、前田さんはローザンヌでゴヨ・モンテロの作品を踊りましたね。日本でコンテンポラリーはやっていましたか?
二見一幸先生(振付家、ダンスカンパニーカレイドスコープ主宰)に週に1回見てもらいました。ローザンヌの時は映像をもらって練習し現地でコーチが付きました。

 

――カンパニーの雰囲気について伺います。憧れだったヌニェスさんと接する機会もあったりすると思いますが、いかがですか?
年齢とか階級とか関係なく皆フレンドリーです。ヌニェスさんも優しく親切な方で、時々レッスンを見てアドヴァイスをくださったりします。自然に向こうから言ってもらえるので有難いですね。

 

――日本人の団員も結構います。皆で集まったりするそうですね。
皆さんからアドヴァイスをいただいています。小林ひかるさん(今シーズンで引退)にはコーチングもしてもらっています。バレエ以外の話もしますし皆家族のようです。

 

――休日は何をしていますか?
バレエ団の友達の家に行きます。日曜日は遊んでいます(笑)。2、3日休みがあればドイツやポルトガルに旅行したりします。パリにも行きました。

 

 

■一つひとつの舞台を大切にしていきたい

 

――『横浜バレエフェスティバル2019』では英国ロイヤル・バレエ団の後輩で来シーズンから正式に団員になる中尾太亮さんと『パキータ』を踊ります。
中尾くんは綺麗なダンサーで日本人離れしていますしジャンプも高い。関西人なので突っ込まれたりしますが(笑)
楽しくやっています。『パキータ』は発表会でパ・ド・トロワを踊ったことがあるくらいで、主役のパ・ド・ドゥは初めてです。横浜に帰ってきて久しぶりに踊るのはうれしいですね。

 

 

――神奈川県民ホールで踊ることへの思いをお聞かせください。
小さい頃から知っている神奈川県民ホールは特別な舞台ですが、実は最近まで踊ったことがなかったんです。先日のロイヤル・バレエ来日公演の「ロイヤル・ガラ」で初めて舞台に立ちました。大きなホールですが観客の方々がとても暖かかったですね。

 

――二山治雄さん、加藤三希央さんというローザンヌの同期で受賞者でもある2人と揃い踏みします。あれから5年を経ての再会です。
二山さんには一度ロンドンでお会いしましたが加藤くんとはローザンヌ以来です。時間が経つのは早いですが、皆それぞれの道を歩んでいますね。ローザンヌでの経験は私にとって大きかったので、皆で再び同じ舞台に立てるのが本当に楽しみです。それに菅井さんや小池ミモザさんにもお会いしたことがないので、お目にかかるのが楽しみです。

 

――来期の英国ロイヤル・バレエ団はマクレガーの「ダンテ・プロジェクト」のような話題作もありますし全幕ものもたくさんあります。これからの目標をお話しください。
怪我しないことですね。今シーズンは忙しくてケアする時間もなかったので、怪我をすることなく1年を過ごしたいです。プロとしてそれが一番大事です。今シーズンは与えられた役を全力でやるだけでしたが、今後は一つひとつの舞台をより大切にしていきたいです。

 

 

 


★ ☆ ★ 公 演 情 報 ★ ☆ ★

横浜バレエフェスティバル2019
~バレエの“力”が8月3日に”かながわ”へ集結!

主催:株式会社ソイプランニング、神奈川県民ホール

https://yokohamaballetfes.com/

開催日:2019年8月3日(土)

会場:神奈川県民ホール 大ホール

【出演】

小池ミモザ(モナコ公国モンテカルロ・バレエ団  プリンシパル)

平田桃子(英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 プリンシパル)

高橋絵里奈(イングリッシュ・ナショナル・バレエ リード・プリンシパル)

菅井円加(ハンブルク・バレエ団 プリンシパル)

津川友利江(元バレエ・プレルジョカージ)

厚地康雄(英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 プリンシパル)

遠藤康行(元マルセイユ国立バレエ団 ソリスト・振付家)

二山治雄(パリ・オペラ座バレエ団契約団員)

加藤三希央(ロイヤル・フランダース・バレエ団 ソリスト)

柳本雅寛(ダンサー、振付家、+81主宰)

大宮大奨(ダンサー、振付家、俳優)

エドワール・ユ(BEAVER DAM COMPANY 代表)

前田紗江(英国ロイヤル・バレエ団 アーティスト)

中尾太亮(英国ロイヤル・バレエ団)

井関エレナ(2018年ヴァルナ国際バレエコンクール ジュニア女子3位 /ベルリン国立バレエ学校)

難波亜里咲(2019年出演者オーディション優勝※神奈川県民ホール賞/所属:HAGAバレエアカデミー)

遠藤ゆま(2019年出演者オーディション第2位/所属:エンドウ・バレエ)

・ジュンヌバレエYOKOHAMA(桑山奈那子・小林咲穂・田中優歩・中山諒・中島耀・橋本杏梨・升本果歩・ 池上桜・沖本悠衣・荻原千聡・川野涼佳・周藤百音・高尾志結)