【PICKUPについて】

このコーナーはバレエナビが取材させて頂いたホットな話題を取り上げております。
バレエやダンスに関する人・商品・サービス・イベント・公演など取り上げさせて頂く話題は多岐にわたります。
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PICK UP!

ミコ・フォガティ インタビュー取材
~映画出演からBirmingham Royal Ballet入団まで~

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2012年公開の映画『ファースト・ポジション』に出演し、大きな話題を集めたミコ・フォガティさん。ミコさんは現在18歳。2015/2016シーズンより英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団に入団し、プロとしての第一歩を踏み出します。入団を控え来日中のミコさんに、バレエへの想いとプロに至る道程をお聞きしました。

『ファースト・ポジション』で日本でもお馴染みのミコさん。映画出演のきっかけは何だったのでしょう?
映画の撮影は12歳のとき。もう6年前になります。監督のベスが2009年のユース・アメリカ・グランプリで私の踊りを観たのがそもそものきっかけでした。ベスがある日ニューヨーク大学の劇場から子供たちが沢山出て来るのを見かけて、何のイベントだろうと入ってみたのがユース・アメリカ・グランプリのニューヨーク決選だった。ちょうど私が舞台に出て来たところで、これを映画にしたいとコンタクトがありました。
私の住むオリンダではあまり知られていないのか、映画が公開されても騒がれることはなかったし、生活が変わることもなかったですね。むしろ、海外の反響の方が大きくて、日本やシンガポール、中国、ブラジル、ヨーロッパからもファンレターが届きます。インスタグラムのフォロワーも増えて、今では20万人くらいいます。でも、なぜか近所ではそういうことがないんですよ(笑)。

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小さい頃からさまざまなお稽古をされていたそうですね。
テニス、水泳、体操、バイオリン、ピアノなど、3〜4歳の頃からいろいろお稽古をしていて、バレエはそのひとつでした。最終的にバレエとバイオリンが残りましたが、11歳の時にどちらか選ばなければならず、結局バレエに決めました。ただお母さんはピアニストなので、本当は私をバイオリニストにしたかったみたいです(笑)。
バレエに専念するために、12歳からホームスクリーング(自宅学習)に切り替えました。とても大きな決断でしたね。ただアメリカはホームスクーリング人口が多く、私のバレエ仲間もみんなそうしています。バレエ以外にも、テニスやゴルフ、体操など、専門的な勉強をしてる人はホームスクーリングにすることが多いようです。勉強はパソコンを使ってオンラインで行います。だいたい毎日朝8時に起きて、10時から12時までクラスレッスン、12時から14時まで先生とリハーサル。勉強を少しして、16時からまたクラスレッスン。バレエの稽古は毎日で、一日3時間、コンクール前は6〜7時間です。小さい頃は近所の教室に通っていましたが、10歳からロシア人の先生につきました。ずっといい先生に恵まれてきたので、そこは運が良かったなと思っています。

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ホームスクーリングでの自主学習は意志の強さが必要ですね。
三週間前にやっと高校卒業の資格を得ることができました。日本でいう中学と高校の6年間をひとりで勉強した感じです。自分で計画的にやらないといけないので、“今日はここまでやる!”と毎日課題を決めて勉強してました。ただ公演やコンクール前はバレエが忙しくて、勉強の遅れがストレスになることも……。だけどバレエが好きだから、レッスンしてるとストレスもなくなっちゃう。あとお父さんとハイキングに行くのもストレス解消になります。友達と遊びに行くことはほとんどないし、高校のプロムも行けませんでした。普通の学生生活はできなかったけど、世界各国へガラ公演に行ったり、また違う経験ができたのはすごく良かったと思っています。

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やはりコンクールには積極的に参加していたのでしょうか。
日本の子たちの方がもっと出てると思います。私は一年に一度、多くて二度です。思い出深いのは、ゴールドメダルをもらった2013年のモスクワ国際バレエコンクール。ボリショイ劇場もステキだったし、ファイナルは生オケで踊るんです。でもファイナルまで7曲踊らなくてはならないので、大変でもありました。第一ラウンドはオダリスクのヴァリエーションとドン・キホーテのメルセデス、第ニラウンドは黒鳥とパキータとコンテンポラリー、第三ラウンドはエスメラルダとジゼルを踊りました。
コンクールは人との競争ではなく、自分との闘いであり、自分を高めるために臨むもの、というのが私の考えです。あとコンクールの良いところは、ネットワークができること。私も世界各国に友達ができて、今ではあちこちのバレエ団に知り合いがいます。同じ目標に向かってきた仲間意識もあり、コンクールの最中も、将来的にもネットワークができる。それは大きな宝物になっています。

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弟のジュールズ君はどうされていますか? 映画ではバレエを辞めてしまいましたが……。
ジュールズは今16歳で、この前運転免許を取りました。ずいぶん大人っぽくなって、映画の時とは顔つきも変わりましたね。私は170cmあるけれど、もうジュールズの方が背が高いんですよ。話すのが好きで、討論グループやパブリックスピーキングのグループに入っています。この前地元でパフォーマンスを兼ねた送別会を開いたんですが、その時もMCをしてくれました。

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2015/2016シーズンより英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団に入団し、プロへとしての第一歩を踏み出します。
昨年11月にプライベートオーディションを受けました。古典を多く上演するカンパニーということと、私の歳だとどうしてもセカンドカンパニーになりがちなので、正団員になれるのも魅力でした。
バーミンガムではカンパニーと一緒に2日間レッスンをして、あとピラティスのような身体テストも受けました。その後芸術監督のデヴィッド・ビントレーさんと面接をして、最終的にメールで合格通知をもらいました。バーミンガムは雰囲気も良いですね。ビントレー監督は新国立劇場バレエ団の芸術監督だったこともあり、日本人も何人かいます。
カンパニーには8月3日の新シーズンから参加します。でもその前夜に台湾のガラに出演するので、終演後夜の便でバーミンガムに飛び、空港からそのまま稽古場に駆けつけます。日本に来る前は北京国際バレエコンクールのガラで踊り、シンガポールで写真撮影をしてきました。ちょっとしたアジアツアーです(笑)。
当初横浜バレエフェスティバルに参加するということで、舞台をとても楽しみにしていました。ただビントレー監督に相談したところ、すでにシーズンが始まっている時期だったので、今回は残念ながら辞退することになりました。日程が合えばぜひ参加したいので、来年また呼んでもらえたら嬉しいです!
バーミンガムでの最初の公演は『白鳥の湖』で、年末には『くるみ割り人形』が控えています。寮はないのでアパート暮らし。ルームメイトも決まっていて、英国ロイヤル・バレエ学校出身のニュージーランドの女の子です。私にとってはこれからが本番。すごく楽しみです。いつかカンパニーで来日して、日本で踊れたらいいですね。

プロのバレエダンサーとして新たなスタートを切るミコさん、バーミンガムでの活躍に注目です!

 

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このインタビューの翌日から開催された「横浜バレエフェスティバル・特別ワークショップ」では若いダンサーとのトークイベントを行い、そしてミコさんご自身もクラス2・クラス3(レパートリークラス)を受講されました。
http://yokohamaballetfes.com/workshop/
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WS講師の児玉北斗さん、木田真理子さんを囲んで