海外のコンクールレポート(フランス)
《CONCOURS INTERNATIONAL DE DANSE CLASSIQUE DE GRASSE》
日本では年間を通して数多くのバレエコンクールが開催されており、バレエナビのコンクール情報ページも毎月、とても多くの皆さまにご覧いただいております。
「海外のコンクール事情は?」ということで、今回、パリ在住の松永麻衣子さんにフランスのコンクールについてレポートをご提供いただきました。皆さま是非ご覧ください。
パリ在住、子供二人(男の子10歳、女の子7歳)がクラシックバレエ学校へ通っているママジャーナリストです。今回、我が子たちが出場した南フランスの国際コンクールの現地リポートをお届けします。
香水で有名な丘の街グラースで毎年10月に開かれる国際コンクール”CONCOURS INTERNATIONAL DE DANSE CLASSIQUE DE GRASSE”は今年で28回目。27カ国の155名の子どもたちが集まりました。フランスのコンクールの中でもかなり難関なことで有名で、予行練習(レペティション)・予選・決勝と三日間のスケジュールで行われます。
コンクールのほとんどが週末に開かれますが、予行練習が金曜日の午後からあるので、この日は学校をお休みしてパリから約900キロ離れたグラースへ、フランスの新幹線TGVで6時間かけて向かいました。
現地までは交通費、食費、宿泊費などの全てを各家庭で負担し、子供に付き添い、会場で先生に引き渡し子供達は楽屋へ。出番が終わりったら子供達を引き取る。そんな関わり方です。
<1日目:予行練習>
会場へ到着。
すぐにレオタードに着替えて体を温めます。
《クラス分け》
DÉBUTANT:8歳まで (今年の最年少は6歳でした)
PREMIERS PAS:9歳、10歳
ESPOIR:11歳、12歳
ETUDE:13歳、14歳
SUPÉRIEUR:15歳、16歳
PRÉ-PROFESSIONNEL:15歳以上
PROFESSIONNEL:19歳以上
PAS DE DEUX:15歳以上の女の子/17歳以上の男の子
《評価の仕方》
Physique/5点満点 Technique/20点満点 Artistique/20点満点
の配点で評価がおこなわれ、予選・決勝の合計点で順位が決まります。
<2日目:予選>
予選は課題曲をシンプルなレオタードで踊り、数時間後に会場日ガラス張りの窓に結果が張り出されるのです。
予選通過者はFINALISTESと書かれていて、合計点数も見ることができますが、落選者の名前は斜線で消されています。
”名前を消される”これがなかなか子供達にも父兄にも堪えるのです。
<3日目:決勝>
決勝は自由曲をコスチュームを着て踊ります。
《concours international de Grasse の順位》
médaille d’or 金メダル
médaille d’argent 銀メダル
médaille de bronze 銅メダル
1e mention 4位
2e mention 5位
3e mention 6位
受賞者は舞台へ上がり、挨拶をして、賞状とメダルを審査員から受け取ります。
10月のグラースコンクールを皮切りに、5月までコンクールは毎月のようにフランス各地で開催されます。その数ある中で、我が子たちのスクール(プライベートスクール)は年間8~9のコンクールに出場しますが、フランス全国大会のCND(Concours Confédération Nationale de Danse)以外はすべて国際コンクールを選んでいます。
会場はドーヴィルの海辺のカジノのテアトルだったり、街の公民館のようなところだったりといろいろですが、子供達の可能性を秘めたエネルギーが作り出す空気はすべての会場共通なのです。
投稿日: 2015 年 12 月 16 日
カテゴリ: 海外のバレエレポート