【PICKUPについて】

このコーナーはバレエナビが取材させて頂いたホットな話題を取り上げております。
バレエやダンスに関する人・商品・サービス・イベント・公演など取り上げさせて頂く話題は多岐にわたります。
ご期待ください!

PICK UP!

越智インターナショナルバレエ 訪問記

バレエナビは2013年7月中旬に名古屋市内にある越智インターナショナルバレエを訪問。
プリマバレリーナの越智久美子さんにお話を伺う機会を得ました。

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越智インターナショナルバレエの本部スタジオは、地下鉄本陣駅から徒歩1分というロケーション。新幹線停車駅のJR名古屋駅から10分程度でいけるというアクセスの良さです。
スタジオは大小二つのスタジオが完備。その大スタジオは愛知県芸術劇場大ホールの舞台とほぼ同じスペースという非常に広いスペースでした。

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スタジオを拝見させて頂いた後に、モスクワ国際バレエコンクールで審査員を務めて帰国したばかりの越智久美子さんにお話を伺いました。

 

バレエ団の歴史と特徴について教えてください
バレエ団の設立は1949年です。まだなかなかヨーロッパに行く事が難しい時代に門下生を伴い海外に研修に出向いたり、コンクールに参加したりしていました。東京オリンピック(1964年)の翌年の1965年には門下の深川 秀夫が17歳で第2回ヴァルナ国際バレエコンクールにおいて越智 實振付のヴァリアシオン(ソロ)を踊り、「日本人として初参加・銅メダル受賞」するなど、設立初期より現在まで「世界に通用するバレエダンサーの育成」を目標に活動しています。

2013年6月に審査員として参加されたモスクワ国際バレエコンクールについて教えてください
私は1977年の第3回モスクワ国際バレエコンクールで第3位銅メダルを頂きました。そんなご縁もあって、今回(2013年・第12回モスクワ国際バレエコンクール)は日本代表審査員として関わらせていただきました。

コンクールで印象的だったことは?
環境がすばらしいという事に尽きると思います。ハードという意味では、劇場はすばらしく、リハーサル室一つとっても感動しました。また、多くのスポンサー(企業)の後押し、国の後押し、市民のサポートなども感じ、とにかく恵まれた環境がそこにはあって、日本との差を感じました。
コンクールそのものの運営はロシアならでは(笑)といいますか、ロシア語だけで英語のアナウンスがない場合もあって審査員も困惑する場面もあったのですが、皆さん将来あるダンサーの審査に集中していました。
また、今回のコンクールには越智インターナショナルバレエのダンサーで、サンフランシスコバレエのゲストプリンシパルでもあるワディム・ソロマハ(下部写真右)もアメリカ代表審査員として参加したので、普段の“ダンサー同士”としてではなく、“日米代代表審査員”として意見交換できたことも個人的には印象的でした。

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ワディムさんにお聞きします。アメリカ代表審査員のワディムさんはサンフランシスコバレエで踊りながら日本でも踊ったり教えたり、さらには審査員として活躍されたりと世界を駆け巡り、大忙しですね。
(ワディムさんのコメント)そうですね。私自身、キエフバレエ学校卒業後、そのままキエフバレエ団に入り、その後母と共にアメリカのサンディエゴに渡りサンフランシスコバレエのオーディションに合格・入団。その後は世界の様々なところで踊っています。サンフランシスコバレエというとあまり馴染みがない方もいらっしゃるかもしれませんが、2007年に中国の中国上海国際芸術祭で共に踊ったヤンヤン・タン(サンフランシスコバレエ プリンシパル)は日本でもご存知の方が多いのではないかと思います。彼女は僕と入団が同期で今までも本当に良くパートナーを組みました。

話がだいぶ変わりますが、越智インターナショナルバレエ(アカデミィ)というとフィギュアスケート選手の浅田真央さんがバレエを習っていたという事でも有名ですね。
浅田真央さんは私どものスクール(アカデミィ)で3歳から12歳までの約10年間バレエを習っていました。とても熱心な生徒で、スケート選手として大成して本当に嬉しいです。真央さん自身はバレエが今でも好きで、昨年の9月位に「真央です!」と突然バレエレッスンの電話相談があり、現在はワディム先生が定期的にお教えしています。彼女は今でも本当にバレエが好きなんだなと思います。

話しがまたそれてしまいますが、名古屋という事で地元のオススメフードを教えてください。
そうですね。こちらに来られる方(外国人・日本人問わず)に大人気なのは有名なうなぎ料理の「ひつまぶし」です。私達も大好きなのですが、これはロシアの方にも人気があって、短い来日期間中に何度も食べられる方もいらっしゃいます。あと、手羽先もとても人気があります。甘辛くい味付けでついついビールが進んでしまうのでダンサー泣かせでもあるのですが(笑)、オススメです。

最後になりますが、バレエ団としての今後について教えてください。
大きく2つの軸で頑張っていきたいと思っております。
1つは、やはりバレエ団設立以来続けてきた新しいものへのチャレンジ。これを意識的に“世界に発信できるもの”“世界の人に観てもらえるもの”というポイントで考えたいと思います。
2つめは、クラシックバレエというものを現代に即して今の人にもわかりやすい形で提供する事です。バレエを興味をもってくれる人を1人でも増やせればと考えています。

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文・写真:バレエナビ編集部
取材協力・写真提供:越智インターナショナルバレエ

 

☆★☆ 越智インターナショナルバレエ公演情報 ☆★☆
「白鳥の湖」全幕
2013年11月17日(日)
会場:愛知県芸術劇場 大ホール

「くるみ割り人形」スペシャル全幕
2013年12月23日(祝・月)・24日(火)
会場:日本特殊陶業市民会館ビレッジホール

詳しくは越智インターナショナルバレエHPからどうぞ
http://www.ochiballet.com/information.html