シャープ、かつドラマティックな現代版「海賊」 / 	『くるみ割り人形』

【PICKUPについて】

このコーナーはバレエナビが取材させて頂いたホットな話題を取り上げております。
バレエやダンスに関する人・商品・サービス・イベント・公演など取り上げさせて頂く話題は多岐にわたります。
ご期待ください!

PICK UP!

地主薫バレエ団訪問記

2013年5月最終週に大阪府吹田市にある地主薫バレエ団にお伺いしました。バレエ団は創立25年を迎え、国内外で活躍するダンサーを数多く輩出。ここ最近注目されているバレエ団です。新幹線停車駅の新大阪駅から地下鉄で2駅の江坂駅から徒歩5分程度にあるバレエ団のスタジオは2011年にバレエスタジオ用に改装されたそうでとても綺麗なスタジオでした。 まずは団長の地主薫さんにお話を伺いました。

・オリジナルのバレエに注力

「まずは、バレエ団の特徴を教えてください」
バレエ団の特徴としては、オリジナルのグランドバレエを創ることに注力していることだと思います。特に、子供用のグランドバレエはおやゆび姫や、白雪姫、桃太郎など様々なラインナップがあります。

「桃太郎というと、あの川から桃が流れてきて・・・という桃太郎ですか?」

はい(笑)。あの日本の昔話の桃太郎全3幕です。桃が流れてきたところからストーリーが始まる全幕ものです。

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「すごく楽しそうですね。舞台を観た子供達は喜んでくれたのではないですか?」

そうですね。子供達はとっても楽しかった!と言ってくれました。また、観てくれたお客様だけではなく、出演した団員も生徒もとても楽しそうにレッスンをしていたのが印象的でした。

「お子さんはよくバレエを観ている間に寝てしまいますがこの作品では如何でしたしたか?」

おかげさまで、観ている間に寝る子はほとんど居なかったようです(笑)子供向けという事で作品にはエンターテイメントの要素を多く盛り込んでいますが、きちっとしたクラシックバレエの技術を見せる事と、芸術としてのバレエの崩してはいけない部分を意識して作品を創っていますので、大人の方も楽しんでいただけたのではないかと思っております。

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・国内外で活躍中のダンサーについて

「現在国内外で活躍されている地主薫バレエ団/バレエ学校出身のダンサーの方のうち、倉永美沙さん(ボストンバレエ・プリンシパル)、奥村康祐さん(新国立劇場バレエ団・ソリスト)、金子扶生さん(英国ロイヤルバレエ団・ソリスト)の子供時代について教えて頂けますでしょうか?」

倉永美沙は体の条件が恵まれているタイプではなかったのですが、とにかく運動神経が良かったのは印象的でした。小学生の頃に平均台で側転のような事をドンドンしてみたり、私がヒャーッと言いたくなるようなことをよくする子でした。また、理解力がある賢い子でもあり、なによりすごい努力家でした。

奥村康祐は、彼には怒られてしまうかもしれませんが、どちらかと言うと鈍臭い方といえるタイプだったと思います。年齢が倉永の1歳下でしたのでいつも倉永と一緒にレッスンをしていました。彼は稽古で出来なかった事をとにかく出来るまで頑張り、普通の人の10倍くらい努力していたと思います。稽古も“自分が最後に終わりたい”ということで、倉永といつも最後まで競い合うように稽古場に居残りをしていました。男女ですが、良いライバル関係があったように思います。

金子扶生は一言でいうとのんびり屋さんという感じで、子供の頃は細いけど条件が揃っているとは言えませんでした。彼女もやはり物凄い努力家で稽古を重ねて成長していきました。(注:2013年5月の取材時の段階では金子さんは英国ロイヤルバレエ団のファースト・アーティストでしたが、2013年7月にソリストに昇進)

私は3人共にあまり褒めることもなかったのですが本当によく頑張って、成長してくれました。

・最後にバレエ団のレッスンを拝見させて頂きました
インタビューの後、バレエ団の団員レッスンを拝見させていただきました。非常に広いスタジオで、レッスンは生演奏。気持ちいい音色がスタジオ全体に響きます。毎日、団長の地主薫先生が団員直接指導されるそうです。レッスンは先生の大きな声で、しかも1人1人を良く見て細かい指導が団員の方に対して入ります。真剣な眼差しで団長の言葉を聞く団員さんの視線がとても印象的です。

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レッスン開始前に「単に振りをつけるのではなく、具体的に気をつけるポイントを教えている。いつもプロとして“舞台のお客さんがどこを見ているか”を意識してもらうようにしている。」と団長がおっしゃっていた通りの指導です。

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3時間あまりの短い滞在時間でしたが、オリジナルバレエへの意欲や、団員レッスンの指導方法など、きっちり1本筋が通っている地主薫バレエ団の特徴が感じられました。「あまり大きなバレエ団ではないので・・・」と謙遜して語る地主団長の眼の奥からは「これからも信じた道を真摯に歩んで行こう」という強い光のようなものが感じられました。これからどんなダンサーが輩出され、どんな作品が生み出されるのか、とても楽しみです。

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<今後の地主薫バレエ団のスケジュール>
2013年7月 29日・30日
サマーバレエフェスタ 於:メルパルクホール

2013年11月 7日
バレエ団公演 於:フェスティバルホール

地主薫バレエ団はこちら
http://www.jinushi-ballet.com/index.html

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取材・文:バレエナビ編集部 吉田智大