『スーパースター・ガラ 2024』プレビュー
文=高橋森彦
2024年10月4日(金)~6日(日)東京文化会館大ホールで催される「スーパースター・ガラ 2024」は大きな呼び物だ。
文字通りバレエ界のスーパースターたちが、名演に次ぐ名演を披露する。
前回2022年の開催時に反響を呼んだのは記憶に新しいが、今回も人気・実力を兼ね備えた精鋭が、所属を超えて集い、共演する夢舞台が待ち受けている。
不動の女王といえるスヴェトラーナ・ザハロワ(ボリショイ・バレエ団プリンシパル)は、『瀕死の白鳥』で研ぎ澄まされた踊りを魅せるに違いない。
またパトリック・ド・バナ(フリーランス・ダンサー、振付家、本公演芸術監督)と共演し、ド・バナ振付『Rain before it Falls』を踊る。スケールの大きな踊りとなるだろう。
現代屈指のドラマティック・バレリーナであるナタリア・オシポワ(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)と端正かつ力強い表現力を併せ持つウラジーミル・シクリャローフ(マリインスキー・バレエ団プリンシパル)の共演も格別だ。
『海賊』と『マノン』 より 寝室のパ・ド・ドゥ で両者が交感するケミストリーに注目したい。
パリ・オペラ座を代表する名花ドロテ・ジルベール(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)とホットなライジングスターであるリース・クラーク(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)は、品格ある踊りを堪能させてくれそう。『眠れる森の美女』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥと『海賊』 よりアダージョが楽しみだ。
パリ・オペラ座バレエ団で長年エトワールとして踊り、今年5月にアデュー(さよなら)公演を終えたばかりの至宝ミリアム・ウルド=ブラムと日本初登場で2017年のモスクワ国際バレエコンクール金賞など輝かしい経歴を誇るバクティヤール・アダムザン(アスタナ国立オペラ・バレエ劇場プリンシパル)の共演も話題だ。『ジゼル』より2幕のパ・ド・ドゥと『薔薇の精』を披露するので注視したい。
ド・バナは、ザハロワとの『Rain before it Falls』に加え、ソロ『サイレント・クライ』を踊る。
モーリス・ベジャール、ナチョ・ドゥアトという巨匠に学んだのち、世界各地から招かれ振付家として活躍する彼を中心に、第一線のスーパースターが集う。
バレエは人間の肉体が物語る血の通った表現であり、ボーダレスな芸術だということを再確認する好機となるだろう。
渡邊一正が指揮するパシフィックフィルハーモニア東京による管弦楽が入るのもうれしい。
至福のひとときを過ごせるのは間違いなさそうだ。
【公演情報】
国境を越えた豪華大スターたちの、夢と感動の舞台は必見。
◆日時
2024年
10月4日(金)19:00開演(18:30開場)
10月5日(土)13:00開演(12:30開場)/18:00開演(17:30開場)
10月6日(日)15:00開演(14:30開場)
◆会場:東京文化会館 大ホール
詳細ホームページはこちら⇒ https://super-stars-gala.com/
【出演者】
スヴェトラーナ・ザハロワ(ボリショイ・バレエ団 プリンシパル)
ナタリア・オシポワ(英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル)
ドロテ・ジルベール(パリ・オペラ座バレエ団 エトワール)
ミリアム・ウルド=ブラム(パリ・オペラ座バレエ団 元エトワール)
リース・クラーク(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
ウラジーミル・シクリャローフ(マリインスキー・バレエ団 プリンシパル)
バクティヤール・アダムザン(アスタナ国立オペラ・バレエ劇場 プリンシパル )
パトリック・ド・バナ(フリーランス・ダンサー 振付家 本公演芸術監督)
指 揮:渡邊一正 管弦楽:パシフィックフィルハーモニア東京
【予定上演演目】
1:瀕死の白鳥 (振付:ミハイル・フォーキン 音楽:カミーユ・サン=サーンス)
スヴェトラーナ・ザハロワ
2:Rain before it Falls (振付:パトリック・ド・バナ 音楽:レスピーギ)
スヴェトラーナ・ザハロワ&パトリック・ド・バナ
3:海賊 (振付:マリウス・プティパ 音楽:リッカルド・ドリゴ)
ナタリア・オシポワ&ウラジーミル・シクリャローフ
4:マノン より 寝室のパ・ド・ドゥ (振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ)
ナタリア・オシポワ&ウラジーミル・シクリャローフ
5:眠りの森の美女 第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ(振付:マリウス・プティパ 音楽:チャイコフスキー)
ドロテ・ジルベール&リース・クラーク
6:海賊 よりアダージョ(振付:マニュエル・ルグリ マリウス・プティパに基づく ⾳楽:アドルフ・アダン)
ドロテ・ジルベール&リース・クラーク
7:ジゼルより2幕のパ・ド・ドゥ (振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー 音楽:アドルフ・アダン)
ミリアム・ウルド=ブラム&バクティヤール・アダムザン
8:薔薇の精(振付:ミハイル・フォーキン音楽:カール・マリア・フオン・ウエーバー)
ミリアム・ウルド=ブラム&バクティヤール・アダムザン
9:サイレント・クライ(振付:パトリック・ド・バナ 音楽:J.S.バッハ)
パトリック・ド・バナ
他、オーケストラ演奏曲目あり
主催:朝日新聞社 / サンライズプロモーション東京 / MIYAZAWA & Co.
企画協力:ベルチエ・アソシエイツ
投稿日: 2024 年 9 月 13 日
カテゴリ: 公演プレビュー(レビュー)