キエフバレエ

【PICKUPについて】

このコーナーはバレエナビが取材させて頂いたホットな話題を取り上げております。
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PICK UP!

『横浜バレエフェスティバル2018』
芸術監督・遠藤康行インタビュー
今年の出演者&みどころを徹底紹介!

取材・文:高橋森彦

世界の第一線で活躍するプロ・ダンサーや国際コンクール受賞の新鋭、未来を担う才能が集う『横浜バレエフェスティバル』は今年(2018年)で4回目を迎え、7月21日(土)、神奈川県民ホールで行われます。「フレッシャーズガラ」「ワールドプレミアム」という二本柱で構成される同フェスティバルの芸術監督・遠藤康行さん(元フランス国立マルセイユ・バレエ団ソリスト、振付家)に今年の出演者・みどころについて伺いました。

今回のコンセプトとは
――プログラムをどのように組まれましたか?
例年通りクラシックとコンテンポラリーをバランスよく上演するように心がけました。今年は今までにやった作品を違った形で取り上げたり、何度か出てもらっているダンサーにこれまでと異なる姿を見せてもらったりしようと考えました。
――出演者が例年より若い印象を受けます。
それはあるかもしれません。「フレッシャーズガラ」に出ていた世代が「ワールドプレミアム」へと移行している感じです。二山治雄くん(パリ・オペラ座バレエ団短期契約)なんかがそうですね。タイミング的なこともあるのですが今回は若い人が多くなりました。
――「フレッシャーズガラ」に出た方のなかからマリインスキー・バレエで主役を踊った永久メイさんのような海外で大活躍している人も出てきました。
もともと良いダンサーだから活躍するのでしょうが、彼らが年々大人になり、キャリアを積み、いろいろな表現ができるようになっていくのを見るのはうれしいですね。

「ワールドプレミアム」出演のスターたちを紹介!
――出場者について伺います。まず2012年のローザンヌ国際バレエコンクール第1位となり脚光を浴びた菅井円加さん(ハンブルク・バレエ団ソリスト)はジョン・ノイマイヤーの『シンデレラ・ストーリー』やヌレエフ版『ドン・キホーテ』の主役を務め飛躍しています。今回は同僚のニコラス・グラスマンさんとノイマイヤーの『シルヴィア』を踊ります。
『シルヴィア』の最初のパ・ド・ドゥです。そして、その前に円加ちゃんが踊る同じ『シルヴィア』のソロが入ります。これはノイマイヤーからのアドヴァイスによるものです。円加ちゃんは大活躍ですね。『横浜バレエフェスティバル』出演者のなかから(倉永)美沙ちゃん、(近藤)亜香ちゃんの次にブノワ賞(“バレエ界のアカデミー賞”と称される権威ある賞)の候補になるとすれば円加ちゃんかもしれませんね。


――金原里奈さん(イングリッシュ・ナショナル・バレエ ソリスト※6月に昇格発表)とニ山さんはフランス・バレエの香り高い『グラン・パ・クラシック』を踊ります。共にローザンヌ国際バレエコンクールで受賞した若きスターですが二人を組ませる理由は?
二人とも「白」が似合うし綺麗なので。里奈ちゃんをモナコのプリンセス・グレース・アカデミーにいた頃から知っていて、その時は小さかったのですが、少し背が伸びましたね。二山くんはパリ・オペラ座にいて、ミテキ・クドーさんのご主人のジル(・イゾアール)のクラスを受けコーチしてもらっているようです。二人のリハーサルは僕の友人でイングリッシュ・ナショナル・バレエのレペティターである佐々木陽平くんに見てもらっています。
――二山さんと同年のローザンヌ受賞者である加藤三希央さん(ロイヤル・フランダース・バレエ団)は同僚のオステアー紗良さんと共にシディ・ラルビ・シェルカウイの日本初演作品『Dido and Aeneas』を踊ります。
三希央は昨年シェルカウイが振付したソロ『Mononoke』を世界初演してくれました。そこで今年は「何か二人で踊れるようなものはないか?」という話をして、そこからシェルカウイが2017年のブノワ賞のガラ公演で上演したデュエットを日本初演できることになりました。オステアー紗良さんは日本とフランスのハーフの方です。
――近藤亜香さん&チェンウ・グオさん(オーストラリア・バレエ団)は『パリの炎』よりグラン・パ・ド・ドゥを踊ります。昨年、一昨年も出演し超絶技巧で会場を沸かせました。
亜香ちゃんは『不思議の国のアリス』に主演してブノワ賞にノミネートされたばかりです。二人は公私のパートナーで息もぴったりですし踊りも素晴らしい。「フレッシャーズガラ」に出るジュニアの子たちも彼らの踊りに接することを楽しみにしています。


――最初にお話があったプレルジョカージュの『ロメオとジュリエット』よりバルコニーのパ・ド・ドゥを踊るのは2016年の死のパ・ド・ドゥに続いて津川友利江さん(元バレエ・プレルジョカージュ)、バティスト・コワシューさん(バレエ・プレルジョカージュ)です。
一昨年物凄くよかったですね。友利江ちゃんはフリーになってヨーロッパ各所で活躍していますが、プレルジョカージョにも呼ばれています。バティストのことは昔から知っていました。以前ヨーロッパで若いダンサーを育てるプロジェクトがあって、僕はリハーサルディレクターをしていたのですが、バティストはその一員でした。とても才能があるのでプレルジョカージュがすぐに引き抜きましたね。それから時間が経ち、一昨年横浜で再会しました。

――遠藤さんご自身は2015年の初回で小池ミモザさん(モナコ公国モンテカルロ・バレエ団プリンシパル)と踊って好評を博した『半獣』を再び小池さんと踊ります。
ニジンスキーが踊った『牧神の午後』と同じドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」を使っています。はからずも今年はドビュッシーの没後100年みたいですね。この曲はジェローム・ロビンズ版を踊った時からずっと好きで、この曲と牧神のテーマを自分なりの解釈で作ったこの『半獣』を大切に演じたいと思っています。

――毎回コミカルなパフォーマンスで盛り上げてくれる柳本雅寛さん(+81主宰)は八幡顕光さん(ロサンゼルスバレエ ゲストプリンシパル)と新作『What We Did for Love』で共演します。
いつも面白い人を連れてくるので今年は誰かなと思っていたら顕光くんだった。二人はJAPON dance projectなどで共演していますが顕光くんをいじって終わるんでしょうかね(笑)。柳本は「笑い」が難しいことをよく分かっていて、しっかりと計算しています。

「フレッシャーズガラ」について語る!
――フレッシュな才能が輝く「フレッシャーズガラ」で話題になりそうなのが栗原ゆうさん(YAGP2015 1位、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団※9月より入団予定)&松浦祐磨(YAGP2018 1位、2017年出演者オーディション第1位・神奈川県民ホール賞、エンドウ・バレエ)による『ドン・キホーテ』よりグラン・パ・ド・ドゥです。
祐磨は『ドン・キホーテ』のヴァリエーションを踊っていますがグラン・パ・ド・ドゥは初めてです。しかも大舞台でプロと一緒に踊るので緊張するでしょうけれど期待しています。栗原さんと組むということで結果的にYAGPの1位つながりになりました。栗原さんの踊りを実際には観ていませんが、ロイヤル・バレエ・スクールの先生などから話を聞いていました。映像を拝見しましたが華やかですし「祐磨と合うな」と考えています。

――松浦さんは昨年の「横浜バレエフェスティバル2017」にも出られました。縁あって遠藤さんに師事するようになり今年のYAGP2018 1位となりましたが、ご指導されていて感じることは?
練習好きでバレエのことばかり考えている。でもクラシックだけに偏らず幅広く吸収しようとしています。コンテンポラリーでも何回も何回も練習して分かろうとするし貪欲で研究熱心です。分からないことを分からないと素直に言える子ですね。人が良くて、人が付いてくる、人が集まってくる。そういうキャラクターです。舞台では怖がりな部分もありますが、しっかり計算して踊れるようになってきているなと思います。

――4月に行われた出演者オーディションで選ばれた方について伺います。優勝・神奈川県民ホール賞の升本果歩さん(岸辺バレエスタジオ)は『眠れる森の美女』第3幕よりオーロラ姫のヴァリエーションを踊ります。
オーディションの時は『ドン・キホーテ』のヴァリエーションを踊りましたが、大きく明るい感じでした。『眠れる森の美女』でもコンクール受賞をしていますし、とてもエレガントなダンサーです。

――出演者オーディション第2位の森春陽さん(バレエスタジオGEM)は『エスメラルダ』よりアクティオンのヴァリエーションを踊ります。
オーストラリア・バレエ・スクールを卒業しています。すらっとしていてルックスもよく王子ができる。アメリカで踊りたいようですがプロとしてやっていける子ですね。

――昨年始動したジュンヌバレエYOKOHAMAは遠藤さんの新作『スーブニール・ドゥ・チャイコフスキー』を披露します。出演は川本真寧さん、縄田花怜さん、中村りずさん、竹内渚夏さん、丸山萌さんです。
全員1期生です。彼女たちにチャイコフスキー晩年の曲である弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」を用いて振付します。早いテンポの曲で、チャイコフスキーがそれまでに扱ってきた様々な要素が見え隠れしています。ポワントを履いて踊る作品で、僕のなかではクラシックという認識ですが、ネオクラシックになるのでしょうか。6分半くらい踊りまくるのでテクニックが結構大変です。

――同じくジュンヌバレエYOKOHAMA作品として上演される『SOLO²』も遠藤さんの作品で、橋本杏梨さん、生方隆之介さんが踊ります。
一昨年、みこ(・フォガティ)と二山くんが踊った作品です。杏梨ちゃんと隆之介くんは合うので二人の掛け合いを楽しんでいただければ。

あっという間の2時間15分
――最後に全体を通して見せたいことがあればお話しください。
結構な量があるのですが、あっという間に勢いよく進むと思います。今のところ2時間15分(休憩含む)を予定しているので「もう終わったの?」という感じになるのではないでしょうか。オープニングとフィナーレは定番となり、同じ曲で例年違う人がやったりして良さが出るかなと。ジュンヌバレエYOKOHAMAの子たちも先輩たちと同じ舞台に立てるし、先輩たちも若い人をみて触発されているようです。

 

★ ☆ ★ 公 演 情 報 ★ ☆ ★

横浜バレエフェスティバル2018
日時:2018年7月21日(土)15:00開演


★ワールドプレミアム 
「シルヴィア」よりパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
ハンブルク・バレエ団芸術監督のジョン・ノイマイヤーが、パリ・オペラ座のために創作した「シルヴィア」。1997年の初演以来再演を繰り返してきた名作が、ハンブルク・バレエ団の菅井円加とニコラス・グラスマンペアにより今再び蘇ります。
菅井円加(ハンブルク・バレエ団 ソリスト)
ニコラス・グラスマン(ハンブルク・バレエ団)

「グラン・パ・クラシック」
ローザンヌ国際バレエコンクールで優勝を果たし、現在パリ・オペラ座バレエで踊るニ山治雄と、ENBソリストの金原里奈が共演。成長著しい彼らの“今”をお見逃しなく!
金原里奈(イングリッシュ・ナショナル・バレエ ジュニア・ソリスト)
ニ山治雄(パリ・オペラ座バレエ団短期契約)

「Dido and Aeneas」*日本初演
振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ
今世界で最も注目される振付家のひとり、シディ・ラルビ・シェルカウイの振付作。バレエ界で最も権威ある賞・ブノワ賞で上演された話題作が、この度待望の日本初演を迎えます。
加藤三希央 (ロイヤル・フランダース・バレエ団)
オステアー 紗良 (ロイヤル・フランダース・バレエ団)

「パリの炎」よりグラン・パ・ド・ドゥ
昨年、一昨年と、圧倒的なテクニックで会場を沸かせてきたオーストラリア・バレエ団ペアが今年も登場! 公私ともにパートナーでもあるふたりが、その息の合った演技で会場を魅了します。
近藤亜香(オーストラリア・バレエ団 プリンシパル)
チェンウグオ(オーストラリア・バレエ団 プリンシパル)

「ロメオとジュリエット」よりバルコニーのパ・ド・ドゥ
振付:アンジェラン・プレルジョカージュ
フランス人振付家アンジェラン・プレルジョカージュの代表作。今回は「ロメオとジュリエット」の中でも一番の名シーンとして知られるバルコニーのパ・ド・ドゥをお届けします。
津川友利江(元バレエ・プレルジョカージュ)
バティスト・コワシュー(バレエ・プレルジョカージュ)

「半獣」
振付:遠藤康行
『横浜バレエフェスティバル』芸術監督・遠藤康行の振付作。モナコ公国モンテカルロ・バレエ団プリンシパルの小池ミモザをパートナーに、荒々しくもダイナミックな作品世界を披露します。
遠藤康行(元マルセイユ国立バレエ団 ソリスト)
小池ミモザ(モナコ公国モンテカルロ・バレエ団 プリンシパル)

「What We Did for Love*新作
振付:柳本雅寛
『横浜バレエフェスティバル』には欠かせない、柳本の作品。お茶を一杯飲むようなホッとするひととき、肩の力を抜く笑いの時間を提供しながらも、すべてを計算しつくしたコンテンポラリーダンサー・柳本雅寛による最新作をお楽しみに。
柳本雅寛(+81主宰)
八幡顕光(ロサンゼルスバレエ ゲストプリンシパル)


★フレッシャーズガラ
「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
床屋のバジルと村娘のキトリの陽気な恋物語「ドン・キホーテ」。栗原ゆうと松浦祐磨の若手ふたりがペアを組み、フレッシュな魅力をステージいっぱいにふりまきます。
栗原ゆう(YAGP2015 1位、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団(9月より入団予定)
松浦祐磨(YAGP2018 1位、2017年出演者オーディション第1位・神奈川県民ホール賞)、エンドウ・バレエ

「眠れる森の美女」第3幕よりオーロラ姫のヴァリエーション
オーディションで抜群の安定感を示した升本。テクニカルなのにあどけない、15歳の今だからこそできる、透明感あふれるきらきらとした空気をお届けします。
升本果歩2018年出演者オーディション優勝・神奈川県民ホール賞)、 岸辺バレエスタジオ

「エスメラルダ」よりアクティオンのヴァリエーション
オーディション審査員から「即戦力!」とのコメントがあるほどの存在感。プロフェッショナルな可能性を感じさせる、力強くてしなやかな演技をご覧ください。
森 春陽(2018年出演者オーディション第2位)、バレエスタジオGEM

「スーブニール・ドゥ・チャイコフスキー」*新作
振付:遠藤康行
過去の出演者オーディションにより選ばれたジュンヌバレエYOKOHAMA1期生による新作です。昨年の演目「レ・ブリヨン」でお気に入りのダンサーを見つけた方もいらっしゃるはず。彼らがこの1年間で得たさらなる成長・飛躍をどうぞお見逃しなく。
ジュンヌバレエYOKOHAMA
川本真寧縄田花怜中村りず竹内渚夏丸山萌

「SOLO²」
振付:遠藤康行
今年の「第1回横浜バレエコンクール」で優秀な成績を修めた橋本とジュンヌバレエ1期生による「SOLO²」。2016年公演ではみこ・フォガティと二山治雄が演じ、高度なテクニックの連続で客席を沸かせました。これから大いなる未来が待ち受ける2人がどんなハーモニーを奏でるのか、ご期待ください。
ジュンヌバレエYOKOHAMA
橋本杏梨 生方隆之介

※演目は変更になる場合がございます。

チケットは、こちら(横浜バレエフェスティバルチケットセンター)からどうぞ。
他、チケットかながわイープラスでも扱っています。詳しくは、こちらから。