ダンサーに指名される和太鼓奏者、佐藤健作~和の音を求めて~
酒井はな・森山開次・西島千博・志賀育恵など日本の著名ダンサーと共演を重ねる世界的な和太鼓奏者、佐藤健作。
その演奏を初めて聴いたのは2011年8月15日に開催された、東日本大震災復興支援チャリティー公演『オールニッポンバレエガラコンサート2011』でのことだった。
ガラ公演の最後を締めくくる大太鼓の演奏は観客の心を大きく動かし、演奏の最中に歓声が上がるほど。その気迫あふれる太鼓の音色は観客のみならず出演ダンサーの心をも一つにする力を持っていた。
オールニッポンバレエガラコンサート2011での演奏
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=WGNiRntJ64U?rel=0]
2012年、和太鼓・バレエ・能がコラボレーションする舞台『ハレの祭典』では、酒井はなと共演。リハーサル中、間近でその演奏を聴いた時、“お腹に振動としてダイレクトに感じる激しさ”と、リズムではなく、“精密な音”を出せる繊細さが同居している事に気づいた。多くの奏者が打つ中で、佐藤健作の音だけ抽出されたかのように浮き出てくるのである。これには本当に驚かされるとともに、日本の著名ダンサー達が佐藤健作を指名する理由の一端が垣間見えた。
2012年のリハーサル取材動画
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=3-626uKH498?rel=0]
佐藤健作は『オールニッポンバレエガラコンサート』へのボランティア出演だけではなく、個人として2011年に「東日本大震災の被災地で、無料和太鼓公演を三年間で三回開催する」という『佐藤健作不二プロジェクト』を開始。
1回目の陸前高田、2回目の石巻公演を終え、最後となる第3回目は、来月2014年4月12日(土)に福島県相馬市で開催される。
(現地のリポートはバレエナビのSNS(Facebook,twitter等)を通じて皆様にもお届けする予定です。)
舞台の準備や設営、世界最大級の和太鼓の四尺三寸大太鼓「不二(ふじ)」の搬送など多額の費用がかかるこのプロジェクトは寄付とTシャツ収益、ボランティアの方の支援で成り立っており、ボランティア参加・Tシャツの購入・寄付については公演直前まで受け付けているとの事であった。
著名ダンサーを惹きつけるその演奏を機会があれば是非、生で聞いてみて欲しい。
体の奥にまで響き渡るその音色に、きっと何かを感じることだろう。
詳細ホームページ http://tihayable.jp/fujiproject/index.html
問い合わせ: 「ちはやぶる佐藤健作事務局」
電話:050-3738-3364 (平日9-18時)
文・バレエナビ編集部 吉田智大
投稿日: 2014 年 3 月 24 日
カテゴリ: ピープル