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PICK UP!

『 ドリアン・グレイ 』記者会見取材

話題騒然、沸騰間違いなし!今夏見逃したくないセンセーショナルな舞台!マシュー・ボーン振付『 ドリアン・グレイ 』

7月11日から渋谷Bunkamuraオーチャードホールで気鋭鬼才マシュー・ボーン振付の『ドリアン・グレイ』が上演される。主演は、マシュー・ボーンから高く評価されているリチャード・ウィンザーと、期待の超大型新人ダンサーの大貫勇輔のWキャスト。

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TBSの安東弘樹アナが司会進行。まず、朝届いたばかりという、マシュー・ボーンからのFAXを代読。「『ドリアン・グレイ』は、2008年エジンバラ国際演劇祭で初演しました。ドリアンという役はどの人物よりも暗く、冷酷で強烈な個性を持っています。はまり役のリチャードと特異なダンサーである大貫勇輔の2人がすばらしい作品を皆様に届けることができると思います。ホリプロさんから日英共同制作の話を頂き、驚きと喜びの気持ちでいっぱいでした。7月に日本の皆様にお会いできるのを楽しみにしています。」予想もしていなかったマシュー・ボーンからの手紙に会場からは拍手。そして会場は暗くなり『ドリアン・グレイ』の映像が映し出される。

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映像が終わると、ファンの歓声と拍手に迎えられ主役の2人がさっそうと登場。

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180㎝以上ある2人は、大きいだけではなく放たれたオーラもあり、ステージが小さく思える。ステージ中央に用意された黒革のソファーに仲良く座っている姿は、何となく可愛らしくも感じる。

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マシューの作品の魅力について、リチャードは「私自身、この作品は特別な意味があります。マシューがこの作品を私に託しているので責任も感じています。観客の反応が楽しみです。マシューの作品は、物語になっているのでどんな観客にも伝わります。心の芯に迫るのが魅力です。」

「2010年にリチャードの『白鳥の湖』を観ました。存在感があり魅力的なダンサーなので、思わず目で追ってしまいました。その後今回の話を聞いたときは、純粋に嬉しいと思いました。何が何でもやりたいという思いでオーディションを受けに渡英しました。憧れの振付家の作品、オーチャードという大きな舞台に立てることを誇りに感じます。精一杯やりたいです。」と大貫。

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ドリアンを演じることについてリチャードは「原作のオスカー・ワイルドの小説は19世紀の作品で、それを現代に置き換えたとき、当時セレブリティが話題を集めていたので、ドリアンをスーパーモデルとして成功と失墜を描くことにしたこと。ラブシーンは、男性同士だと格闘しているように見えてしまう、それをいかにロマンチックに見せるか大きな挑戦です。」

「『ドリアン・グレイ』は、斬新でワイルドでセクシーな作品。言葉なくダンスで表現するのがむずかしいと思います。ドリアンは変化していくキャラクターなので、表情、目や手先の動かし方を考えて演じていきたい。」と真摯な態度の大貫。

自分自身を美しいと思うかという質問には、会場が沸く。「マシューからドリアン役に選ばれた時点である意味美しいのかもしれないけれど、執着はしていない。」とリチャードは照れて小声で答える。

「ダンサーは、自分を美しいと思わないとステージには立てない部分はあります。美しくありたいと思っています」
Mr.パーフェクトボディと言われる大貫だが、丁寧に答える様子から人間としてもパーフェクトな部分が垣間見られる。

美しく完璧なドリアン像は、リチャードと大貫自身と重なる部分があるのか、ないのか、私はとても気になっていた。安東アナの「最後の質問になりますが、どなたか…」という言葉の最中に私は大きな声で「はい!」と手を挙げた。

リチャードは、情緒不安定なドリアン、原作でも描かれた自画像は天使のように美しいのに、内面的に美しくなくなってしまう。外見と内面のギャップを感じているようだ。大貫は「いい質問をしてくれました」と褒めてくれ、私は思わず舞い上がってしまった。「美しくあり続けたいという気持ちは持っていますが、自分は楽観主義でポジティブなのでドリアンと重なる部分はないですが、もしかしたら気づいていない自分の眠っている感覚なども目覚めさせていきたいです。」

リチャードと大貫は作品について語るときは、真剣そのもの。ただ、和やかな雰囲気は失われていない。リチャードは役作りに対して一生懸命取り組む勇輔と仕事をしていくのが楽しいと絶賛。大貫もまた、美しいダンサーでセクシー、目がきれい。リチャードといると自分が小さく見えるので、筋肉をつけビルドアップしているという。お互い敬意を払っていてとても好印象のようだ。

映画鑑賞が趣味という2人。リチャードは将来映画のプロデュースに関わりたいという。大貫は、週に4、5本移動の行き帰りにスマホで映画を観ている。研究熱心な彼は、歌と芝居の勉強が楽しいという。「やればやるほど奥が深いと感じます。できないのが楽しいです。」なかなか言えない台詞をさらりと言う。

もう一人のゲストがここで登場。女医の西川史子先生。

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リチャードと大貫は求愛のダンスを披露。

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わずか数分という時間に、西川先生も観客も惹きつけられる。

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すごい迫力で鳥肌が立つ。言葉を失うほどだった。「ミュージカル、演劇好きの人もはまるんじゃないでしょうか?ダンスの素晴らしさを感じました。これは2回観に行かなくちゃダメですね。厳しいレッスンを積み重ねて一瞬の輝きを放つのが舞台。頑張っている姿を多くの方に観てほしいです。女性はキュンキュンしていないと老化が進むそうですよ(笑)。キュンキュンしに劇場に行きましょう!」と、西川先生も絶賛。

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公演の意気込みについて。リチャードは「日本に来てお客様に会えるのを楽しみにしています。私自身興奮しています。来日以来私のキャリアを応援してくれたファンにお礼を言いたいです。」と語った。

「イギリスと日本。リチャードと比べられる不安もあるけれど、切磋琢磨しながらいい作品を作り上げていきたい。たった4回しかないんですが全力で取り組みます」と、力強く大貫は宣言してくれた。

日本でマシュー・ボーンの上演も7年ぶり。日英の超イケメン実力派ダンサー。どちらかではなく、どちらも観なくてはマシュー・ボーンの『ドリアン・グレイ』は語れない。

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取材文:小林知恵
写真:バレエナビ橋本
取材場所:DDD青山クロスシアター