SHIVER 2020

【PICKUPについて】

このコーナーはバレエナビが取材させて頂いたホットな話題を取り上げております。
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PICK UP!

ブベニチェク・ニューイヤーガラ ~ ~カノン~ ~ Skypeミーティング Bunkamura⇔パリ

きたる2013年新春を飾るバレエ・ガラ「ブベニチェク・ニューイヤーガラ~カノン~」。ドイツの名門ドレスデン・バレエのプリンシパルとして活動するかたわら世界各地で振付作品を発表する奇才イリ・ブベニチェクが全振付・監修を手掛ける注目の公演だ。

開幕を約ひと月後にひかえた12月3日夕刻、Skypeミーティング《Bunkamura⇔パリ》が催された。これは出演者のイリ・ブベニチェク、エルヴェ・モロー、ドロテ・ジルベールと招待されたブロガーやメディア関係者がSkypeを通して交流するという企画。現在パリでリハーサル中の彼らが忙しい合間をぬってブロガーらの質問に応じ公演への抱負を語った。パリ・オペラ座内の一室からミーティングに臨んだ彼らはリラックスした雰囲気。

まずイリが公演について説明した。

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イリ・ブベニチェク (c)Rebecca Hopp

バッヘルベル「カノン」にのせたハイライト部分が日本でも好評を博している『ル・スフル・ドゥ・レス・プリ-魂のため息-』のフルバージョンが披露される。一卵性双生児で衣装・装置・音楽なども手掛け創作上の盟友でもあるオットー・ブベニチェクと踊る『ドリアン・グレイの肖像』、ニジンスキーの伝説的演技で知られる題材を独自に捉え直した『牧神』のような新しい作品もみせたいと意欲をみせる。

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「ル・スフル・ドゥ・レスプリ~魂のため息~」彩の国さいたま芸術劇場公演より(c)池上直哉

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ドリアン・グレイの肖像(c)Costin Radu

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「牧神」(c)Costin Radu

今回の大きな見どころのひとつは大怪我から奇跡的復帰を果たしたパリ・オペラ座の貴公子モローが日本ではなんと7年ぶりに踊ること。彼はその喜びをこう語る。

「東京で踊るのが楽しみ!『トッカータ』(2009年ニューヨーク・シティ・バレエ初演)のリハーサルは始まっているし、新作(『プレリュードとフーガ』ショスタコーヴィチ曲)のクリエーションも楽しみです!」

モローと『トッカータ』と『プレリュードとフーガ』を踊るジルベールも新進気鋭といわれて久しいけれどもエトワール昇格から5年が経ち心技体ともに充実した様子。「イリの作品は世界的にみても重要になってきていると思います。今回踊れるのが楽しみ!『プレリュードとフーガ』は素晴しい曲。自分が踊るのにぴったりだと思ったんです!」

モローはジルベールのことをこう語る。

「ドロテとは長く踊っていなかったけれど昔からの友人ですし、素晴しいダンサー。一緒に踊るのが大好きですし、うれしいですね!」

そんなふたりをイリはすっかり信頼している模様。「『トッカータとフーガ』を踊ってもらおうと思ったのは、音楽がネオ・クラシックのスタイルを持っていて、踊りにしてもテクニックはクラシカルなもの。そういった踊りにパリ・オペラ座のダンサーは長けている。そこへ、さらに新しい要素を入れていきたいですね」

今回の公演に際しイリは兄のオットーやジルベール、モローらのほかにも精鋭を集めた。拠点のドレスデンからは自身のダンス・スタイルを分かちあうベスト・メンバーを選んだと自信たっぷり。信頼厚き仲間たちとフレンドリーな雰囲気を大切にしているようだ。

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エルヴェ・モロー(c)Masahiko Takeda

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ドロテ・ジルベール(c)細野晋司

ミーティングはイリの日本のファンに向けてのメッセージでしめくくられた。

「日本のファンの方々のためにオットーは素晴しいデザインのセットや音楽も作りましたし、非常に豊かなパフォーマンスになっています。芸術的な質を100%全開にして皆さんにお見せしますし、エネルギーもすべて注入します。待っていてください!」

洗練された美意識と珠玉の名曲に彩られた秀作群を選りすぐりの実力派ダンサーたちが心をひとつにして踊る――。

“新時代のバレエ”を体感できる絶好の機会を楽しみにしたい。

 

取材・文:高橋森彦(舞踊評論家)