2017年12月公演「くるみ割り人形」

【PICKUPについて】

このコーナーはバレエナビが取材させて頂いたホットな話題を取り上げております。
バレエやダンスに関する人・商品・サービス・イベント・公演など取り上げさせて頂く話題は多岐にわたります。
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PICK UP!

米山実加インタビュー(ボルドー・オペラ座バレエ団)
~大好きなフランス・バレエを踊ってきた集成をみせたい/横浜バレエフェスティバル出演~

フランスのボルドー・オペラ座バレエ団の米山実加さんが『横浜バレエフェスティバル2016』に出演し、高岸直樹さん(元東京バレエ団プリンシパル)と『ライモンダ』第1幕より夢のパ・ド・ドゥ(ヌレエフ版)を踊ります。米山さんにプロ・バレエダンサーへの道のりやボルドー・オペラ座バレエ団での経験について伺いました。
取材・文:高橋森彦(舞踊評論家)

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――バレエを始めた頃のことをお聞かせください。
3歳から浜松シティバレエの藤井久美子先生に学びました。きっかけは保育園の友達が習っていて衣裳が可愛いと思ったからです。小学5年生頃からプロになりたいと思うようになりました。憧れていたのは英国ロイヤル・バレエ団で踊られていた吉田都さん。テレビで放映されていた舞台を録画してみていました。パリ・オペラ座バレエ団の映像もよくみていてアニエス・ルテステュさん(元エトワール)とかが好きでした。当時からフランスに行きたいという気持ちがありました。生の舞台では浜松でズヴェトラーナ・ザハーロワさんが踊る『白鳥の湖』をみて「こんな凄い人がいるんだ…」と衝撃を受けました。

――2001年の第58回全国舞踊コンクール第二部第1位などコンクールで優秀な成績を修められています。いつ頃から出ていましたか?コンクール挑戦で得たものとは?
初めて出たのは小学4年生です。たくさん練習するので上手になる近道だと思います。踊る機会が教室の発表会か地元のフェスティバルしかなかったので舞台経験にもなりました。

――早くからフランスに渡られましたね。
藤井先生が毎年カンヌのロゼラ・ハイタワーのバレエ学校(Ecole Superieure de Danse de Cannes-Mougins ROSELLA HIGHTOWER)のサマーセミナーに生徒を連れて行っていました。小学5年生、6年生の時に続いて中学3年生の夏にも参加しました。その時、当時校長だったモニク・ルディエールさん(元パリ・オペラ座バレエ団エトワール)に入学したいとお願いすると許可をいただき、翌年夏から留学しました。

――カンヌでの生活はどのようなものでしたか?
プレ・プロフェッショナルというジュニアカンパニーのようなところに2年行きました。朝からクラシックとコンテンポラリーのクラスをして、午後は公演のリハーサルをしたり作品の練習をしたりしました。ルディエールさんは「音楽を大切に」と良くおっしゃられました。公演はカンヌや周辺の町で行いました。パリでデルフィーヌ・ムッサンさん(元パリ・オペラ座バレエ団エトワール)とカール・パケットさん(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)がゲストの『ドン・キホーテ』第3幕に出たこともありました。

――就職活動をどのように行いましたか?
カンヌに行って2年目に色々なところのオーディションを受け、ボルドー・オペラ座バレエ団の『白鳥の湖』に出る短期契約をいただきました。そのあとオーディションで正式に団員の契約をもらいました。17歳の時でした。

――2005年に入団されたボルドー・オペラ座バレエ団のカラーはどんな感じですか?
ボルドーのオペラ座はパリ・オペラ座のガルニエ宮よりも古いそうです。芸術監督はシャルル・ジュド(元パリ・オペラ座バレエ団エトワール)で指導スタイルはフランス派です。ダンサーは40人弱なのでファミリーのようです。国籍はフランス人だけでなくヨーロッパの人たちやニュージーランド、ブラジル、ロシア、日本とさまざまです。『白鳥の湖』や『眠れる森の美女』を上演する時には人数が必要になるので短期契約者を募集します。

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(C)Sigrid Colomyès

――年間の公演数やスケジュールについて教えてください。
年間公演数は50回以上公演があり海外公演も10公演はあります。シーズンは10月にスタートし、次がクリスマスの公演、その次が3月、5月、7月と5つくらいのブロックがあります。春に海外公演に行きます。レパートリーはクラシック中心ですがジョージ・バランシンの『セレナーデ』『アポロ』『四つの気質』『ヴァイオリン・コンチェルト』やイリ・キリアンの『小さな死』、アンジュラン・プレルジョカージュの『受胎告知』をやらせていただきました。カロリン・カールソンも来ましたし、フェリックス・ブラスカの『タムタム』も踊りました。

――2012年にソリストに昇格されました。環境の変化はありましたか?
コール・ド・バレエの時から『眠れる森の美女』のリラの精や『ジゼル』のミルタを踊らせていただいていました。新たに踊る役が増えたというよりも群舞を踊らなくなりましたね。去年『白鳥の湖』全幕のオデット/オディールを踊りました。2役あるので踊り分けが大変でした。シャルルの振付は(ジュドの師でパリ・オペラ座バレエ団の芸術監督だった)ルドルフ・ヌレエフに近く1カウントに1つもしくは2つ入るくらいの細かいパ(ステップ)が多いので余計に疲れる。コールドでも死にます(笑)。『くるみ割り人形』の雪の場面や『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』のワルツはマラソンのようです。

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(C)Sigrid Colomyès

――ジュドさんはどのような芸術監督ですか?
あまりツンとしていなくて話しやすい監督です。パ・ド・ドゥの指導が上手なので男の子はラッキーですね。一人で踊る時のテクニックに対しても「こうやったらいいよ」という言葉が的確です。『牧神の午後』の牧神や舞踏家のカルロッタ池田さんが振り付けた『Zatoïchi』のタイトル・ロール、『くるみ割り人形』のドロッセルマイヤー、『コッペリア』のコッペリウスを踊られていました。振付の仕事などで出張に行かれることも多いです。

――ボルドーと聞くとワインを思い浮かべるのですが、どのような街ですか?
暖かく住みやすいです。街の人も気さくで買い物をしていると「あなたダンサーでしょう?」と声をかけられたりもします。郊外にいくとブドウ畑が広がっています。

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――『横浜バレエフェスティバル2016』出演の経緯と抱負を教えてください。
ボルドーでの舞台をみてくださっていた芸術監督の遠藤康行さんから連絡があり高岸直樹さんと踊ってほしいというお話をいただきました。シャルルの作品かフランスっぽいのがいいなとなり、シャルルに話をしてヌレエフ版の『ライモンダ』第1幕より夢のパ・ド・ドゥを踊ることになりました。パリ・オペラ座バレエ団出身のバレエマスターに指導してもらいましたが、パがあまり他のヴァージョンではやらないような特徴的な感じです。大人しめで派手ではないのですが美しく音楽もきれいです。エレガントにフランスっぽい雰囲気を出せればいいなと。日本でも機会があれば踊りたいですし、バレエ・プレルジョカージュの津川友利江ちゃん、オーストラリア・バレエ団の近藤亜香さんとチェンウ・グオさん、新国立劇場バレエ団の米沢唯ちゃんは知っているので会えるのが楽しみです。

――今後の展望をお聞かせください。
来シーズンからドイツのエッセン市立歌劇場バレエ団に移籍することになりました。監督のベン・ヴァン・コーウェンバーグ(ベルギー出身で同国やイギリス、ドイツで踊り1992年から2007年までドイツのヴィースバーデン歌劇場バレエ団を率い、2008年からエッセンに赴任)から直接連絡をもらいオーディションに行きました。エッセンでは彼の振付による古典作品や創作を上演しています。もともとフランスのバレエが大好きで踊ってきましたので、今回その集大成をお見せし、新たに出発したいと思っています。

 

 

公 演 情 報

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横浜バレエフェスティバル2016
~バレエの”力”が8.7に”かながわ”へ集結!
主催:株式会社ソイプランニング/神奈川県民ホール
後援:横浜アーツフェスティバル実行委員会

開催予定:2016年8月7日(日) 神奈川県民ホール
18:00開演 20:45頃終演予定

芸術監督:遠藤康行(元フランス国立マルセイユ・バレエ団 ソリスト/振付家)
プロデューサー:吉田智大

★ ☆ ★【上演予定作品】★ ☆ ★

◆【第1部】(フレッシャーズガラ)
クラシックバレエ作品のヴァリエーション (オーデイション合格者2名)
中島耀(シンフォニーバレエスタジオ)
「眠れる森の美女」第1幕よりオーロラ姫のヴァリエーション
縄田花怜(梨木バレエスタジオ)
「パキータ」よりエトワールのヴァリエーション

エスメラルダのヴァリエーション
みこ・フォガティ

「ラ・シルフィード」よりパ・ド・ドゥ
菅井円加(ハンブルク・バレエ団)
二山治雄(白鳥バレエ学園)

◆【第2部】 World Premium 1
新作「Measuring the Heavens」振付:高瀬譜希子
高瀬譜希子
演奏:佐藤健作

「ライモンダ」第1幕より夢のパ・ド・ドゥ ヌレエフ版
米山実加 (ボルドー・オペラ座バレエ団)
高岸直樹(元東京バレエ団)

新作「SOLO²」 振付:遠藤康行
みこ・フォガティ
二山治雄(白鳥バレエ学園)

瀕死の白鳥
倉永美沙(ボストン・バレエ団)

Lilly 振付:+81
柳本雅寛(コンテンポラリーダンサー・ +81主宰)
青木尚哉(ダンサー・振付家)

◆【第3部】 World Premium 2
新作「埋火 UZUMIBI」 振付:遠藤康行
米沢唯(新国立劇場バレエ団)
遠藤康行(元フランス国立マルセイユ・バレエ団 ソリスト・ 振付家)

ヴァスラフよりソロ 振付: ジョン・ノイマイヤー
菅井円加(ハンブルク・バレエ団)

「エスメラルダ」よりダイアナとアクティオンのグラン・パ・ド・ドゥ
近藤亜香(オーストラリア・バレエ団)
チェンウ・グオ(オーストラリア・バレエ団)

ロミオとジュリエットより死のパ・ド・ドゥ 振付:アンジェラン・プレルジョカージュ
津川友利江(バレエ・プレルジョカージュ)
バティスト・コワシュー(バレエ・プレルジョカージュ)

「くるみ割り人形」第2幕より金平糖の精と王子のグラン・パ・ド・ドゥ
倉永美沙(ボストン・バレエ団)
清水健太(ロサンゼルス・バレエ団)

*演目は都合により変更となる場合がございます

 

横浜バレエフェスティバル詳細はこちら⇒ http://yokohamaballetfes.com/

 

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