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PICK UP!

「~ 躍動 ~ 牧阿佐美バレヱ団よみうり大手町ホール特別公演」プレビュー
~秋の休日に東京・大手町の夢空間でバレエを愉しむ贅沢なひととき

文:高橋森彦(舞踊評論家)

2014年3月、東京・大手町の読売新聞東京本社ビル内に開館した「よみうり大手町ホール」は、都心のオフィス街に誕生した新たなホールとして存在感を増している。座席数501席。どの席からも舞台が近く、木目で覆われた温かみのある空間はコンサートや朗読の催しに打ってつけだ。ロビー・ホワイエも落ち着いた雰囲気で開放感が漂う。

発行部数世界最多を誇る「読売新聞」は文化面も充実し、バレエに関しては近年の日本人による国際バレエコンクール受賞などによる“バレエ・ブーム”以前から幅広く取り上げてきた。文化事業にも熱心で「よみうり大手町ホール」では主催公演も行い、きたる2017年11月3日には「~ 躍動 ~ 牧阿佐美バレヱ団よみうり大手町ホール特別公演」を催す。

牧阿佐美バレヱ団は2016年に創立60周年を迎えた日本バレエ界きっての名門で、古典名作を中心に豊富なレパートリーを上演している。そして今現在活きのいい踊り手が台頭し新たな風を吹き込んでおり、老舗であると同時にフレッシュなバレエ団といっていい。

今回披露するのは、まさにスペシャルなプログラム。なかでも飛鳥時代を舞台に創作した橘秋子の大作を娘である牧阿佐美が新たに蘇らせた『飛鳥 ASUKA』より第1幕「竜剣の舞」(音楽:片岡良和)、故・高円宮憲仁親王を偲ぶ幻想的な舞踊劇『時の彼方に ア ビアント』の第2幕第3場「白い部屋」(音楽:三枝成彰)は牧バレヱ団のオリジナル作品である。

米の振付家ウィリアム・ダラーが遺した『コンスタンチア』(音楽:ショパン「ピアノ協奏曲第2番)」も大切に受け継ぐ演目だ。“ピアノ詩人”と称されたショパンと彼の初恋の相手コンスタンチア、10年近く共に過ごした女流作家ジョルジュ・サンドのドラマを浮き彫りにしつつアンサンブルが音符のようになって踊り奏でる詩情豊かな佳作である。

『動物の謝肉祭』より「白鳥」にも注目したい。言わずと知れたサン=サーンスの名曲にのせて踊られるが、なんとチェロの生演奏を主軸ダンサーの清瀧千晴が務める。清瀧はボリショイ・バレエ学校仕込みのしなやかなテクニックを持ち味に活躍しているが、両親が音楽家ということもあり幼少からバレエと共にピアノを習い、その後高校1年生までチェロを学んだ。踊って、弾いてと多才な魅力を発揮するに違いない。

清瀧のほかにも多士済々のダンサーが揃う。プリマバレリーナで華やかさ際立つ青山季可、要所で舞台を締める存在感を発揮している日髙有梨、清潔感ある演技が光る織山万梨子、おおらかな踊りで魅了する米澤真弓、のびやかに美しく踊りテクニックも強い阿部裕恵、抜群のプロポーションを生かした踊りが魅惑的な太田朱音、大黒柱的存在で主役から個性豊かな役柄までお手の物の菊地研、モンゴル出身で踊りの幅の広さに定評があるラグワスレン・オトゴンニャムらである。彼らが都会の隠れ家的な夢空間で“躍動”し、その息遣いまでもが肌身で感じられる機会は滅多にあるまい。

秋の休日、大東京の中心部・大手町にたたずむ特別な夢空間で上質のバレエを愉しむ――。贅沢気分を味わえること請け合いである。

   公 演 情 報   

2018年11月3日(金・祝)
開場 11:00/開演 11:30
開場 15:00/開演 15:30

プログラム:
ヴァリアシオン・プール・カトル
《飛鳥 ASUKA》第1幕より「竜剣の舞」
《パリの炎》よりグラン・パ・ド・ドゥ
《ロメオとジュリエット》よりバルコニー・シーンのパ・ド・ドゥ
サンサーンス《動物の謝肉祭》より「白鳥」(チェロ演奏:清瀧千晴)
《時の彼方に ア ビアント》第2幕3場「白い部屋」
コンスタンチア

出演者:
ヴァリアシオン・プール・カトル
出演:細野生 石田亮一 鈴木真央 田村幸弘

飛鳥 ASUKA 第1幕より「竜剣の舞」
出演:太田朱音

パリの炎 よりグラン・パ・ド・ドゥ
出演:米澤真弓 濱田雄冴

ロメオとジュリエット よりバルコニー・シーンのパ・ド・ドゥ
出演:阿部裕恵 清瀧千晴

動物の謝肉祭 より「白鳥」
チェロ演奏:清瀧千晴
出演:三宅里奈

時の彼方に ア ビアント 第2幕3場 「白い部屋」
音楽:三枝成彰
出演:青山季可 ラグワスレン・オトゴンニャム

コンスタンチア
出演:
コンスタンチア     織山万梨子
ショパン           菊地研
ジョルジュ・サンド   日髙有梨
ソリスト         茂田絵美子 中川郁 三宅里奈 高橋万由梨

尾形結実 岡本麻由 田切眞純美 武本真利亜
塩澤奈々 風間美玖 西山珠里 光永百花
今勇也 中島哲也 坂爪智来 松田耕平
元吉優哉 米倉大陽 山際諒 近藤悠歩

芸術監督:三谷恭三

入場料:
S席 7,500円/A席 6,500円(全席指定・税込)
※未就学児童入場不可

チケット:
カンフェティチケットセンター
0120-240-540 (オペレーター 平日10:00~18:00)
ローソンチケット (Lコード:32685)
0570-000-407(オペレーター 10:00~20:00/Lコード不要)
0570-084-003(自動音声対応/Lコード必要)
イープラス
チケットぴあ(Pコード:480-052)
0570-02-9999(自動音声対応/Pコード必要)

主催:読売新聞社

制作:牧阿佐美バレヱ団

お問い合わせ:
読売新聞東京本社文化事業部 TEL:03-3216-8500(平日10:00~17:00)

詳細はこちら⇒ http://yomi.otemachi-hall.com/event/event_21502.html