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萌木の村訪問記 「清里フィールドバレエ」から「ザ・フィールドバレエ」へ

毎年7月下旬から8月上旬にかけて、山梨県北杜市清里「萌木の村」特設舞台で行われているバレエシャンブルウエストによる「清里フィールドバレエ」は、日本ではおそらく唯一の野外で行われているバレエ公演。第24回を迎える今年(2013年)の公演は、スタッフ、出演者すべての力を集結して、これぞというものを作り上げるとのこと。そこで「清里フィールドバレエ」実行委員長であり、萌木の村村長の舩木上次さんにお話しをうかがいに行ってきました。

初めて開催した時の様子などは、ユーモアを交えながらもそれを作り上げてきたスタッフの皆さんの熱い思いが伝わってきました。今では地元の皆さんが気軽にバレエを話題にするそうです。「今日のアルブレヒトは…」とか「○○さんは上手くなった…」とか。バレエ鑑賞の文化がしっかり育っていて、まるでヨーロッパのどこかの街のようで素敵ですね。

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=MrhLUSa78CE?list=UU7CW4ojdMX7HnvHroKbtYuw]

「ここは世界で一番美しい場所…、その宝物と共生しながら作り上げていく」とおっしゃる舩木さんの言葉どおり、舞台が設営される広場は芝生を取って、木のチップが敷き詰められました。また花壇の花も清里に昔から自生していた野草などに変えられています。石垣は開拓時代に掘り起こした石を積み上げ、パーゴラ(ブドウ棚)もここで伐採した木を使用しています。この思い切った造園作業(あと5年はかかるそうです)にも、本物を追求する意気込みが感じられます。

萌木の村には見どころがいっぱいありますが、オルゴールミュージアム「ホール・オブ・ホールズ」でのミニコンサートを拝見しました。ここでは、世界中から集められた貴重なアンティークのオルゴールを見て、実際に聞くことができます(なんと演奏をすることもできます)。事前にお話しは聞いていましたが、美しい音色や形、すべてが想像をはるかに超えていました。ピアニスト平澤真希さんの生演奏も素晴らしかったです。舩木さんの「実際に来た人だけにしか分からない」という言葉に納得でした。

萌木の村には、美味しいものもたくさんありました。ビアレストラン「ロック」の地ビール、ハム・ソーセージ。名物のカレー。ホームメイドケーキの「キャロル」。バー・ラウンジ「パーチ」の南極の氷でいただく100年前のウイスキー、etc.これらも訪れる人にはとても楽しみなことです。

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=L2puaYi0wk4]

さて今年の演目は『ジセル』です。4組の豪華キャストには、ジゼル役では定評のある下村由理恵さんもゲストとして初参加されています。刻々と移り変わる大自然を舞台背景とした、この場所、この時だけの、世界でただ一つのジゼル。初めて見る人も、何度も見ている人も、今年の「ザ・フィールドバレエ」は本当に見逃せませんね。


会場の萌木の村はこちら

文:村上美樹
撮影:石川陽